レベルファイブがおくるナゾトキファンタジーアドベンチャー・レイトンより、
西浦智仁作曲、超文明Aの遺産の『SHOOTING!』。空戦イベントで流れます。
ナゾを解いて事件解決を目指すレイトンシリーズの6作目にして一旦の完結作にあたる本作。今度のレイトン教授と助手のルーク少年は生きているミイラの調査依頼を受けて古代文明を巡るナゾを追ううち、教授自身の過去に迫ることになる。ナゾトキ×世界旅行というテーマで、飛行船に乗って雪の町や密林、荒野など様々なロケーションが回りながら人々と交流し、ナゾを紐解いていく。3DSの立体視とグラフィックやモーションの作り込みが魅力的で、シリーズ特有の好奇心くすぐる雰囲気がよく出ている。本編150問+挑戦状15問+おまけの日刊ナゾ通信405問、計570問が収録されていて、バラエティ豊かな舞台設定を活かしたナゾをたっぷり堪能できる。他にも条件に合わせてファッションコーディネートをするなど発想力が試される3つのミニゲームがあり、細々とした遊びが充実している。ストーリーは壮大で強引なところがあるが、それも含めてシリーズの集大成らしいボリューム感のある仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは西浦智仁氏。レベルファイブに所属する作曲家で、レイトンシリーズには連綿と携わり続けている。本シリーズは哀愁と温かみのある民族風のアコースティックサウンドで知られるが、本作では特に世界中を旅する性質上、各地の風土や温度感を反映した上質な音色を楽しむことができる。サウンドトラックは未発売だが、作中に恒例のサウンドファイルが存在する。
空戦イベントで流れるのがこの曲である。作中に挟まれるミニゲームで、敵戦艦から出撃した戦闘機を飛行船で撃ち落とすことになるが、単なるシューティングではなくお題に沿って複数の戦闘機から仲間外れのみを撃ち落としたり、絵と同じ戦闘機を当てたりする観察力が問われる。物語序盤で非常に美しいオーロラと吹雪の山、鮮やかな湖を通り抜けながら進めていく象徴的なシーンを彩るにあたって、手始めにピアノの繊細かつ使命感あふれる音色で一気に心を掴んでくる。弦の低音を交えてテンションを蓄え、やがて8秒頃からバイオリンが響き渡ると得も言われぬ流麗さを感じさせる。25秒からバイオリンがさらにオクターブを上げて華麗な高音を披露すると、合わせてピアノの伴奏が低音部を加えて厚みを増すようになり、ますます素敵な奥行きと疾走感を漂わせる。そのまましばらく駆け抜けて1分17秒から間奏に入り、同じピアノフレーズを何度も繰り返すが、弦をリズミカルに鳴らしてドラムの刻み方を徐々に変えていくことで確かなメリハリをつけている。ドラマ性のある一曲である。
疾走感と静けさとしみじみとした憂いのバランスがすごくいいですよね。