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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1774 『マイペースな物売り』(北海惣史郎/Castlevania 白夜の協奏曲/GBA)

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コナミがおくるアクション・悪魔城ドラキュラより、

北海惣史郎作曲、白夜の協奏曲の『マイペースな物売り』。ショップで流れます。

バンパイアハンターの一族の死闘を描く悪魔城ドラキュラシリーズのうち、GBA向け第2弾で海外版タイトルに統一する形で登場した本作。シモンの時代から50年後、ベルモンド一族の末裔であるジュストは、修行の旅に出ていた親友のマクシームから幼馴染の少女・リディーが何者かに連れ去られたと聞き、深い霧の奥の城へと足を踏み入れることになる。前作に引き続き探索型アクションで、表と裏に分かれる広大な城を踏破していく。背景の描き込みや巨大ボスの多関節の動きなど、携帯機ながらも高精度なグラフィックと良好なアクション性を両立している。主人公のジュストの攻撃方法は鞭による通常攻撃、ハート消費で繰り出せるサブウェポンに加えて、スペルフュージョンというシステムによってサブウェポンと魔導書を組み合わせて強力な魔法を放つことができる。6種類のサブウェポン×5属性の魔導書で多彩なアクションを操れるが、発動には精神力を多く消費するため、使いどころや補給のタイミングを考慮する必要がある。補給地点となるセーブ部屋の配置間隔はまばらだが、探索途中でもクイックセーブが可能となり、成長状況やストーリー進捗を維持しつつ直前のセーブ部屋から再開できる仕組みである。総じて手軽かつボリュームのある仕上がりとなっている。後にCastlevania Advance Collectionの一環としてスイッチ、PS4Xbox One、PCに移植された。

本作の音楽を担当するのは北海惣史郎氏。当時コナミに所属していた作曲家である。ボスラッシュの曲のみだが山根ミチル氏も関わっている。北海氏は悪魔城ドラキュラシリーズには初参戦で、本作のサウンドプロデューサーと効果音制作を兼任している。本作では北海氏自身がサウンドトラックのライナーノーツで明かしている通り、アクションを優先するために音の性能を制限する必要があり、内臓PSG音源主体で制作されている。これまでのシリーズと比べて淡泊で暗澹とした曲調が多い。サウンドトラックについては前作と合わせてライナーノーツ付きで収録されたもの、歴代シリーズ作品をまとめて収録したものなどが存在する。

ショップで流れるのがこの曲である。オレンジ色のローブを纏った魔法使いのような風貌のナゾの商人によって営まれていて、城の各地に点在するが条件を満たさないと出現しない。左右にうねうね動く商人のモーションや買い上げ時の不気味な笑い声と合わせて珍妙な雰囲気が漂っていて、この曲はその印象をいっそう強めている。良い意味でレトロに振り切った粗野な音色とパーカッションが短くリズミカルに絡み合うことで、異常に怪しいけどつい心が弾んでしまうような摩訶不思議なノリを生み出している。一通り低音のフレーズを終えると6~7秒あたりでパーカッションだけが響く間があり、音数がすくなく曲の尺が短いなかでも鮮烈な後味を残している。1ループ8秒未満だが確実に耳に残るし反復するたびにノリが癖になっていくような一曲である。

ゲームではありがちな、なぜか変な場所に店を構える胡乱な商人というイメージにものすごくぴったりで良いと思います。