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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1811 『伍魂の獣人』(佐藤巧/九魂の久遠/NS・PS4・PS5・XOne・XX|S・PC)

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インティ・クリエイツがおくる2D横スクロールアクション・九魂の久遠より、

佐藤巧作曲、『伍魂の獣人』。業魔形態のときに流れます。

ガンヴォルトシリーズなどで知られるインティ・クリエイツが開発した本作。現世で死んで冥界で目覚めたネコのクオンは、飼い主が待つ現世に帰還すべく冥界の門を目指して冒険することになる。切り絵風の鮮やかな和風グラフィックが目を引く2Dアクションで、一撃死が基本かつ本作の根幹的なシステムとして組み込まれている。自機は死ぬと動物の魂を取り込んでスキルを習得した状態で蘇ることができ、五回目の死で獣人型の業魔形態になって耐久力が上昇して一撃死しなくなり大幅に攻撃性能が強化され、九回目の死で九魂逢魔形態に達して周りを一撃で葬れる圧倒的な力を手に入れられる(ただしこの状態で死ぬとゲームオーバーになる)。死と再生を繰り返すテンポよくスリリングなゲームバランスが特徴で、死ぬほど自機は強くなって進めやすくなるが、初期状態でもスピーディーな回避アクションで攻略できる余地が残されている。エンディング分岐による周回要素があり、一周が短いのもあって周回前提のボリューム感にまとめられている。総じて骨太ながらもさくっと遊べる設計が光る仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは酒井祐輔氏、佐藤巧氏、佐藤裕之氏、佐野広明氏、山田一法氏。編曲のみで川上領氏も携わっている。いずれもインティ・クリエイツサウンドチームであるIII(トリプルアイ)のメンバーである。本作では世界観は和風だがサウンドはそこまで和風に寄らず、ピアノの切ない音色とエレキギターの激しい音色を軸に据えている。ところどころに三味線などの和楽器が入っているほか、獣たちの冥界というイメージに沿った原始的で野性的ですこしおどろおどろしい音色も散りばめられている。サウンドトラックには主題歌や各種アレンジ・インスト版なども含めて収録されている。

業魔形態のときに流れるのがこの曲である。上述の通り一定回数死んだら変身するもので、パワーアップ時の専用BGMのようなものである。獣ではなく獣人(バケモノ)となって闘争本能を解き放つシチュエーションに合わせて、出だしからピアノと三味線と電子音を巧みに絡めた疾走感あふれるイントロで勢いづける。7秒からエレキギターが加わると、伴奏の和楽器との組み合わせでワイルドでありながら切なく繊細でもある響きを生み出す。32秒過ぎからギターに代わって和楽器の見せ場があり、45秒で再度ギターが入ってあらためてテンションを上げたあと、満を持して58秒で和風の笛の音を軸としたサビに突入する。憂いと凄みのバランスが絶妙で和風×ロックの魅力を存分に引き出していて、1分30秒でループに入るまで一気呵成に駆け抜けていく。葛藤と衝動が凝縮された一曲である。

ハッとさせられる格好良さがあっていいですね。曲名は「ゴコンのバケモノ」と読ませるようです。