インティ・クリエイツがおくる2D横スクロールアクション、ロックマンゼロより、
鈴木マサキ作曲、2の『Ice Brain』(『アイスブレイン』とも)。
南極のコンピュータ施設の入り口で流れます。
ロックマンシリーズの派生作・ロックマンXのゼロを主人公にしたロックマンゼロシリーズ第2作目にあたる本作。前作のエンディングから一年後を描いていて、新たに個性豊かなレジスタンスのメンバーたちを加えて物語は展開していく。本作からゼロの潜在能力を覚醒させ、見た目が変わるフォームチェンジシステムが導入されたほか、一定条件下でボスの大技を習得できるEXスキルキャプチャーの登場など、意欲的な要素が多く追加されている。また、初見殺しの豊富さやボスの凶悪さから、もともと手強いシリーズのなかでも特に難易度が高いことで知られる。
本作の音楽を担当するのは梅垣留奈氏、栗原務氏、鈴木マサキ氏、山田一法氏、Chiken Mob氏の五名。いずれも山田氏率いるインティ・クリエイツのサウンドチーム、III(トリプルアイ)に所属する作曲家たちである。IIIには音楽制作会社クリスタの栗原氏や梅垣氏など、インティ・クリエイツ以外の作曲家も参加している。本作ではロックマンシリーズ特有の硬派なサウンドが揃っていて、エンディングテーマがオープニングステージのアレンジとなっているなど、初志を貫徹した統一感のある仕上がりとなっている。サウンドトラックはリマスター音源のものと、1から3までの全曲をオリジナル音源で収録したものの両方があり、それぞれ曲名の表記が英語か日本語かで異なっている。
南極のコンピュータ施設で流れるのがこの曲である。本作の舞台である理想郷ネオ・アルカディアのシステムを動かしている重要なコンピュータの一部が眠る場所で、四つの冷却装置を破壊しながら進むことになる。極寒の環境であるがゆえの厳格さと、機械装置がひしめき合う無機質さの両方が、電子音とギターの怪しくも鮮やかな組み合わせで臨場感たっぷりに感じ取れる。滑る床や氷柱による攻撃など、南極ならではの仕掛けが待ち受けるなか、終始冷静に、重苦しいほど重厚感たっぷりに奏でられるギター伴奏が印象的で、その上を颯爽と走り抜ける電子音による旋律が、シャープでスタイリッシュな雰囲気を醸す。冷徹な曲調ながらも内なる情熱を秘めた一曲である。
氷系のステージのなかではとりわけこれが好きです。サビが終わってループに入る前の1分37秒~1分50秒間の不穏な間奏が特に良い味出していますね。サントラのリマスター版でもそのあたりは忠実に表現されていて、全体的に正統進化している印象です。あわせてどうぞ。