インティ・クリエイツがおくるアクション、ロックマンゼクスより、
鈴木マサキ作曲、アドベントの『Twisted Vine』。しんりょくのタワーで流れます。
ロックマンシリーズの派生作品であるゼロのさらなる派生作品にあたるゼクスシリーズの2作目にあたる本作。前作から4年後を舞台に、意志を持つ金属、ライブメタル・モデルAに選ばれた適合者の主人公は、ロックマン同士で相争う運命のゲームに巻き込まれることになる。前作と同じく男女選択式の主人公で進める2Dメトロイドヴァニア風のアクションである。モデルを切り替えて変身できるゲーム性は健在だが、本作の変身システムは戦ったボスの姿と能力をそのままコピーしてプレイアブル化させる形に改められている。ボスによって操作の癖やアクションの使いどころ、扱いやすさはまちまちだが、その分だけ個性的でピーキーな立ち回りをすることができる。前作と比べて探索要素が薄まったが、ステージ数の増加、構造の分かりやすさやマップの視認性の向上など、強化されている部分もある。本編とは別に各種ミニゲームが充実していて、落ち物パズルからボス再戦、ファミコン風の2Dアクションまで、丁寧につくり込まれたおまけを楽しめる。総じて堅実なつくりながら長短相半ばする仕上がりとなっている。後にゼロシリーズと合わせて6作品をまとめたダブルヒーローコレクションの一環としてスイッチ、PS4、Xbox One、Steamに移植された。
本作の音楽を担当するのは梅垣ルナ氏、川上領氏、鈴木マサキ氏、葉山宏治氏、山田一法氏。川上氏と山田氏はインティ・クリエイツに、梅垣氏は音楽制作会社クリスタに所属する作曲家である。鈴木氏と葉山氏はフリーランスの作曲家である。葉山氏を除くメンバーは、社外コンポーザー含む形でインティ・クリエイツのサウンドチーム、III(トリプルアイ)に参加している。なかでも川上氏、山田氏、鈴木氏は前作から続投していて、本作でも変わらずシリーズおなじみのサイバーでクールなサウンドを堪能することができる。通常の楽曲群に加え、DSの容量を活かしたボーカル曲やミニゲーム向けの8bit音源なども用意されている。サウンドトラックについては、本作の一部楽曲を収録したもの、ゼロとゼクスシリーズを網羅したBOX盤、ダブルヒーローコレクション発売後にデジタル配信されたリマスター盤などが存在する。
しんりょくのタワーで流れるのがこの曲である。序盤のミッションで訪れるステージで、植物に浸食された機械要塞のような見た目である。きっちり拍を刻むパーカッション、神秘的なシンセパッド、独自の落ち着きとグルーヴを湛えたベースが、さながら蔓のように捻じれ絡み合いながら音色を紡いでいく。各フレーズの始まり、具体的には1秒、6秒、12秒などで定期的に短くピアノを鳴らすことでスタイリッシュな雰囲気を醸し出している。しばらく似通った曲調が続くが、35秒でギター風の熱く鮮やかな音色が奏でられると、冷静なペースを貫きながらも徐々に熱を帯びていく。46秒以降はパーカッションとベースが強調されて一気にドラムンベースらしい印象が増し、そのまま順調にじりじり蓄えていく。締めの1分8~10秒で激しいオーケストラヒットを鳴らすと、それを合図にループに入る。巧妙なバランスで刺激的なテンションを保つ一曲である。
DSの音、だいぶクリアだけど粗っぽさが残る感じが良いですよね。ゼロのGBAの響きも好きですし、ゼクスのDSの響きもまた違った良さがあります。