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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#038 『翼を持った少年』(神藤由東大/イース -フェルガナの誓い-/PC)

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日本ファルコムが手がけるアクションRPGイースより、

古代祐三作曲・石川三恵子編曲・神藤由東大再編曲、

フェルガナの誓いの『翼を持った少年』。フェルガナ地方全域で流れます。

イースシリーズのうち、1989年に登場したナンバリング3作目のPSP版リメイクにあたる本作。赤髪の旅人・アドル=クリスティンは、相棒のドギの故郷であるフェルガナ地方で発生しているという異変の真相を確かめるべく冒険の旅に出ることになる。シナリオの大筋は原作そのままに、後発作品にあわせて世界観に一部改変さたりキャラの造形に手が加わっている部分もすくなくなく、全体的に現代風にリファインされている。アクション要素もリングアーツやブーストなど、派手でスピーディーな快感に満ちていて、丁寧かつ鮮やかにリメイクされた仕上がりとなっている。

本作の音楽については少々複雑で、原作の作曲をファルコム所属の石川三恵子氏が単独で務めたのち、移植されるたびに複数の作曲家たちがその媒体に合った新曲や編曲を加えている。本作で採用されているのは石川氏と、MSX版およびX68000版を手がけた川合将明氏の楽曲で、それらについて新たにFalcom Sound Team jdkの神藤由東大氏が編曲している。いずれの楽曲も、ギターを駆使したロックやメタル系のアップテンポなアレンジが多く、派手やかにリメイクを彩ってくれる。サウンドトラックは未使用曲を含めて収録されている。

原曲の『翼を持った少年』は、初代イースの『Theme of Adol(Adoll/Adoruとも)』(古代祐三氏による作曲)という未使用曲のアレンジであるが、リメイクに伴ってさらにアレンジされたものが、このバイオリンの生音を駆使した一曲である。使用場面は変わらず、フェルガナ地方の街道で流れるものだが、バイオリンの情熱的な音色を主旋律に据えたことで、ますます迫力満点かつ緩急自在な印象を与える。伴奏として刻まれるパーカッションは、ハイテンポな曲調に耳心地の良い艶やかな興を添えていて、途中、バイオリンがオクターブを下げて渋い低音を奏でると、そこから一気に駆け上がるように高音へと移行し、見事な解放感を演出する。思わず酔い痴れるような爽快感に満ちた一曲である。

まさにこれぞファルコム、といった感じの音使いですね。機種間で曲を聴き比べるだけでも楽しいです。