VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#080 『Counterattack』(平松建治/ゼノブレイド2/NS)

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モノリスソフトがおくるRPGゼノブレイドより、

平松建治作曲、2の『Counterattack』。

攻勢に転じる際のイベントシーンなどで流れます。

ゼノシリーズのうち、ゼノブレイドに続くナンバリング2作目として登場した本作。世界樹を中心に、どこまでも雲海が広がる世界を舞台に、雲海に浮かぶ巨神獣の上に暮らすサルベージャーの少年・レックスは、沈没船の物資回収の際に出会った少女・ホムラとの出会いを通じて、ともに世界樹の上にあるとされる伝説の楽園を目指すことになる。前作と直接的な繋がりは見られず、リアル寄りなグラフィックからアニメ調のキャラクターデザインになったことで雰囲気は一新されたが、探索し甲斐のある広大なフィールド、ブレイドと呼ばれるパートナーを駆使して戦う戦略性たっぷりの戦闘システム、壮絶で王道を極めたシナリオなど、しっかりと前作の魅力を受け継いだ仕上がりとなっている。

本作の楽曲を担当するのはACE(工藤ともり氏・CHiCO氏)、清田愛未氏、平松建治氏、光田康典氏。前作から下村陽子氏を除いたメンバーで、特に光田氏は前作ではエンディングのみの作曲だったが、本作ではエンディングも含め数多くの曲を担当した。ACE+の名義でACE(工藤ともり氏・CHiCO氏)に一時的に加入していた平松氏も続投で、本作ではユニットとしてではなく単独で曲づくりに挑戦している。映像とリンクさせるダイナミックなサウンドは本作でも健在で、重厚な物語にふさわしいバラエティ豊かな楽曲が勢揃いしている。サウンドトラックは5枚組の通常盤と、ジングルやアレンジを加えた6枚組の豪華盤が発売されていて、さらにDLCの追加曲についても別途配信されている。

イベントシーンで激戦を繰り広げる主人公たちの勇姿にあわせて流れるのがこの曲である。ムービーとのシンクロ度合いも相まって非常に盛り上がる一曲で、エレキギターの熱く滴る旋律と、悲壮感漂うストリングスが奏でるメロディーとが見事な昂揚感を生み出す。ピアノの情緒的な伴奏の上を颯爽と駆け抜けるさまは、絶対に負けられないというレックスたちの思いを力強く表現していて、曲後半で音程をあげて最後にサビをもう一度繰り返すことにより、さらなる感情の起伏を描写している。使われている楽器や曲調から、前作における同様のシーンで流れる『敵との対峙』を彷彿させるが、機神との戦いを描いている性質上、そちらはどこか理知的で冷徹な雰囲気を纏っているなかで、この曲はより勇ましく、より純粋に夢に向かって突き進む様子が窺える。

いつ聴いても何度聴いてもかっこいい曲ですね。ACE+が作曲した前作の『敵との対峙』もあわせてどうぞ。

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