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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#150 『Prayer song to God』(安藤浩和/星のカービィ スターアライズ/NS)

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HAL研究所がおくるアクション・星のカービィより、

安藤浩和作曲、スターアライズの『Prayer song to God』。三魔官戦で流れます。

星のカービィシリーズのうち、初のスイッチ向けにして7年ぶりの据置機用の新作として登場した本作。今度のカービィは、ハイネス率いる闇の一族によっておこなわれた邪悪な儀式によって平和が脅かされたポップスターを救うべく、フレンズの力を借りて冒険することになる。おなじみのカービィによる吸い込むアクションに加え、本作ではフレンズハートを敵にぶつけることで仲間に迎い入れることのできるヘルパー機能が特徴である。ハイネスやその配下の女性幹部たち・三魔官との戦いを描くストーリーモードのほか、複数のミニゲームが収録されていて、クリア後のやり込み要素も充実している。無料アップデートもかなり手厚く盛んにおこなわれていて、長く楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは安藤浩和氏、石川淳氏、小笠原雄太氏の三名。いずれもHAL研に所属する作曲家である。シリーズサウンドの生みの親である安藤氏と石川氏のタッグがステージ曲や戦闘曲を中心に、初参戦の小笠原氏はミニゲーム用の楽曲や戦闘ボイスを中心に担当している。機械音中心だった前作のロボボとは打って変わって、本作では世界観に合わせてどこか宗教色漂うミステリアスな曲が多く、過去作のアレンジや原曲をそのまま取り入れながら、バラエティ豊かにカービィの旅路を彩る。また、アップデートで過去作の楽曲が大量にアレンジされていて、三名とも編曲のセンスが光り輝いている。サウンドトラックはアップデートの追加曲を含めて豪華6枚組で発売されている。

本作の顔とも言える敵役・三魔官のうち、氷を操るフラン・キッスと炎を操るフラン・ルージュとの戦闘で流れるのがこの曲である。冷たく無感情なイントロから始まり、アコースティックギターの温かな音色を挟みながら何度も同じ旋律を反復する。「神に捧げる祈りの歌」という曲名通り、三魔官はいずれも狂信的な思想を掲げていて、終始落ち着いた曲調で独特な温度感があるこの曲にも、どこか危うさと脆さを内包した複雑な響きを持つ。リーダー格のザン・パルルティザーヌ戦ではアレンジ版の『忘らるる閃光のライトニング』が流れ、こちらはよりアップテンポに、雷鳴轟く勢いを感じさせる出来栄えとなっている。

『忘らるる閃光のライトニング』、仰々しい題名に見合った出来栄えです。あわせてお聴きください。

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