テクノスジャパンがおくるベルトスクロールアクション・ダブルドラゴンより、
山根一央作曲、2(ファミコン版)の『双龍の雄叫び』。
ラストバトル後半で流れます。
ツッパリを題材にした爽快格闘アクション・熱血硬派くにおくんの流れを汲みつつ、舞台を外国に移してよりバイオレンスな作風に磨きをかけたアーケードゲーム・ダブルドラゴンシリーズ。続編の2では前作で救出したはずのヒロインが開始直後に射殺されるという衝撃のオープニングからスタートし、ビリーとジミーのリー兄弟は復讐を誓って戦うことになる。ファミコンへの移植版ではステージ数の増加、飛び膝蹴りを繰り出す爆魔龍神脚などの新たな必殺技の追加など、大幅に改良が加えられ、エンディングも原作とは違う結末が用意されているなど、意欲的なアレンジとなっている。
本作の音楽を担当するのは山根一央氏。PCECD版では藤後浩之氏が編曲している。山根氏は前作でも作曲を担当していた、テクノスジャパン作品ではおなじみの作曲家である。移植にあたって追加された新要素にあわせて、原作にはない新曲が多数追加されている。恋人の敵討ちというテーマに沿った陰鬱で不穏な楽曲と、ダークな雰囲気をものともしない熱くドラマチックな楽曲の両方が揃っている。サウンドトラックはアーケード音源とファミコン音源のものがそれぞれ発売されている。
ファミコン版のラストバトルでは、幻殺拳の使い手である謎の格闘家が立ちはだかる。その格闘家がつくり出した幻影を破ったとき、機は熟したと言わんばかりに流れ出すのがこの曲である。それまで極端に1ループが短い単調な戦闘曲だったのが、視界が開けるとともに主人公であるリー兄弟の独壇場を思わせる勇壮でメロディックな曲へ変化する。印象に残りやすいラストバトルの演出と、そのうえさらに印象に残りやすい直球勝負な旋律が、鬱積を晴らす爽快感を覚えさせる。
音数のすくなさはメロディーのかっこよさで補う、というのがよく表れている曲ですね。藤後氏によるPCエンジン版、こちらは勇ましさ全開のアレンジですが、あわせてどうぞ。