イメージエポックとカプコンがおくるRPG・ラストランカーより、
下村陽子作曲、『Main Theme of "LAST RANKER"』。タイトル画面で流れます。
PSP向けの完全新作として登場した本作。生きる価値を見出すべく、伝統に縛られた故郷を捨てた青年・ジグは、世界中の戦士が集まる組織・戦候機構バザルタに加盟し、最強の戦士を志すことになる。ランキングによって格付けされるランカーと呼ばれる戦士たちを相手に、タイマンの勝負を繰り広げるオーソドックスな戦闘システムと、後半に差し掛かるにつれて急速に収束していく怒涛の展開が特徴である。独創的な世界観と美麗なグラフィックと相まって、シンプルながらも意欲的な死狩りとなっている。
本作の音楽を担当するのは下村陽子氏。フリーランスの作曲家で、以前カプコンに所属していた経緯からか、本作のサウンドを単独で作曲している。本作では、強き者が正義という理念のもと戦いに明け暮れるジグの心情をまるごと表現した緊張感あふれる楽曲が多い。とりわけ複数収録されている戦闘曲のなかには、Joelle Strother氏によるボーカル入りのものも用意されているなど、気合い十分な力作揃いである。サウンドトラックはボーカル曲やボーナストラックも含めて収録されている。
タイトル画面で流れるのがこの曲である。メインテーマらしく本作の雰囲気をそっくりそのまま反映したかのような情緒豊かな曲調が印象的で、イントロやその他要所要所に挟まれる神秘的なコーラスとストリングスの音色が、非常に強い哀愁を滲ませる。その一方で、勇ましく響く民族調の独特なビートは、最強へのひたむきな決意を感じさせる。バラードのような優美さと、予断を許さぬ切迫感の両方が見事に融合した一曲である。
メインテーマですから、いくつかの曲でモチーフとして旋律が使われていたりします。ランカー戦の『Born to Survive』、こちらはボーカル曲ですが、あわせてどうぞ。