VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#543 『これがあのきみなのか』(みそか/フリー素材)

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PANICPUMPKINで配布されているフリー素材より、

みそか作曲、『これがあのきみなのか』。魔女と勇者などで使われています。

ファミコンライクな8bit風BGMを提供している音楽素材サイト・PANICPUMPKIN、その管理人であるみそか氏は、80~90年代のチップチューンを得意とする作曲家である。2006年のサイトオープン以来、毎年ハロウィンの時期になると新曲を発表していく形式を取っていて、素材の使用に関しては無料かつ自由、利用報告も必要なしという使い勝手抜群の寛大さが魅力である。氏は受注制作を専門に扱うPANSOUNDも運営していて、レトロ風のインディーゲームなどを中心に幅広く活躍している。

PANICPUMPKINでは大まかにジャンル(雰囲気)ごとに素材が区分されている。「はげしいBGM」「たのしいBGM」「やさしいBGM」「かなしいBGM」「あやしいBGM」「3和音じゃないBGM」に加え、「ジングル」「効果音」も用意されている。なかでも「はげしいBGM」のカテゴリーには戦闘曲が多く、通常戦闘やボス戦、ラスボス戦など、シチュエーションに沿ったレトロサウンドが揃っていて、とりわけ『これがあのきみなのか』と題されるこの曲はラスボス用の戦闘曲として扱われている。実際、有名どころで言うとRSFのタワーディフェンス風8bitテイストアクションゲーム・魔女と勇者において、この曲はまさしくラスボス戦で用いられている。ちなみにこのラスボス戦は厄介で、ノーヒントだとかなり苦戦を強いられることになるため、この曲も込みで非常に印象に残りやすい仕上がりとなっている。

曰く「変わり果てた友との最終決戦」をイメージしたというこの曲は、最初から最後まで全身全霊の全力でクライマックスと言わんばかりの一曲である。ブログの解説記事で「元々イトケンさんっぽい曲が作りたいと〈思って作曲を〉始めた」と語る通り、伊藤賢治氏の作風を想起させるような情熱的で叙情的なメロディーラインが特徴で、低音から高音まで万遍なく用いて奏でることで、見事なまでに音数のすくなさを感じさせないつくりとなっている。この曲に限らず氏の作曲するものの多くはひらがな表記で統一されていて、それがまた古き良き8bitサウンドならではの独特な味を出している。

みそか流イトケン節、というような感じですかね。曲名のセンスはなんとなく森彰彦さんっぽいですが。この曲を制作するにあたって、ロマンシングサガ3の『四魔貴族バトル1』を参考にしたそうなので、あわせてお聴きください。

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