VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#563 『The din and bustle』(馳見"Ace"大地/探偵 神宮寺三郎 灰とダイヤモンド/PSP)

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ワークジャムがおくるハードボイルド推理アドベンチャー神宮寺三郎より、

馳見"Ace"大地こと濱田誠一作曲、灰とダイヤモンドの『The din and bustle』。

オープニングデモで流れます。

新宿歌舞伎町に事務所を構える私立探偵・神宮寺三郎の活躍を描く神宮寺三郎シリーズのうち、14作目として登場した本作。今度の彼は遺産相続をめぐる問題に失踪したホームレスの捜索、猫探しなど、複数の依頼を並行しながら進めていくことになり、やがて巨大な陰謀の渦に巻き込まれていくことになる。オーソドックスなコマンド選択式である点はいつも通りだが、新たに参考人と一対一で心理戦を繰り広げるTPS(トークプロファイルシステム)を取り入れたほか、選択肢によってストーリーが分岐するマルチシナリオ制を採用している。深みのあるグラフィックに謎多き魅力的な大人たち、シリーズの魅力をそのまま受け継いだ手堅い仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは馳見"Ace"大地こと濱田誠一氏。かつてデータイーストサウンドチーム・ゲーマデリックに所属していた作曲家で、もともとシリーズの音楽に携わっていたが、シリーズの開発元がデータイーストからワークジャムに移ったInnocent Black以降は名義を変えて参加し続けている。本作では過去作からの流用曲もすくなくないが、オリジナル曲に関してはおなじみのどこか翳のあるグルーヴィなジャズサウンドは健在で、KIND OF BLUE以来となるボーカル曲が収録されている。サウンドトラックは新曲およびボーナストラック2曲を収録したものが発売されている。

ゲームを開始してすぐ、タイトル画面に移行する前のオープニングデモで流れるのがこの曲である。ムービーの出来もさることながら、サクソフォンの生演奏によるスリリングでスタイリッシュでスピーディーなメロディーラインが非常に美しく、一気に神宮寺三郎の世界観に引き込んでくれるような没入感にあふれている。出だしの意味ありげなボイスとカウントダウン、畳みかけるように鳴り響く高速のドラム、ざわめくストリングスにお洒落なピアノ、そのすべてが見事な調和を司っていて、とりわけ1分20秒あたりにエレキギターの伴奏を伴ってピアノが即興風の調べを奏でると、その音色はさながら宝石のようにきらり輝く煌びやかさに満ちている。依頼人や登場人物の紹介も兼ねたセンスたっぷりの映像とあわせて、本作の魅力を余すことなく伝える一曲である。

曲名のdinもbustleもどっちも騒ぎとか喧噪という意味ですね。冒頭のボイス、何を言っているか聴き取ろうにも確信が持てないです。自信はないですが、Here my father's secret has been initiated, count down(?)three, two, one, bark……あたりでしょうか。それはおいといて、映像付きのもの(最後のタバコの灰が落ちてダイヤの粒になって降り注ぐところが好きです)と、あとサントラのボーナストラックにあるDSi Ware版のショートアレンジもあわせてどうぞ。

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