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#592 『Stand Up Against Myself』(山西利治/サンダーフォースIV/MD)

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テクノソフトがおくる横スクロールシューティング・サンダーフォースより、

FUNKY SUROUNIN(ふぁんきい素浪人)こと山西利治作曲、

4の『Stand Up Against Myself』。エンディングで流れます。

銀河連邦とオーン帝国の熾烈な抗争を描くSTGサンダーフォースシリーズのうち、ナンバリング4作目にあたる本作。基本的なシステムは前作を受け継ぎつつ、自機の移動速度がより細かに調整できるようになったり、特殊な溜め攻撃サンダーソードが新登場したりして、さらに発展した形となっている。敵の攻撃パターンも全体的に複雑化し、プレイスキルを求められる絶妙な難度が、全10面からなる長丁場のステージ攻略を鮮やかに彩る。メガドライブ後期に発売されたからか、グラフィックや演出の水準が軒並み高く、ハード性能の限界にまで挑んだ上等な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはFUNKY SUROUNIN(ふぁんきい素浪人=山西利治)氏、OMEN(吉田猛)氏、YUNKER MATAI(ゆんけるマタイ=新井直介)氏の三名。このうち新井氏は技術的な側面でサウンドを支える立場であり、実際の作曲は他二人(1曲、短いジングルだけ過去に大谷智巳氏が作曲したものをアレンジしている)が手がけている。いずれも当時テクノソフトに所属していた作曲家で、本作以前にもシリーズの作曲経験がある。グラフィック、演出と並んで特に語り草になっているのは本作の音楽の良さで、FM音源の極致とも言うべき硬派なシンセ・ギターサウンドが勢揃いしている。サウンドトラックはアレンジなども含め再三にわたり発売されている。

ラストバトルを制すも、自機が跡形もなく大破するという衝撃的なムービーが挿入され、エピローグでは、ひとまず一難去ったものの人類はさらなる困難に立ち向かうことになるだろう、と語られる。そうして流れ始めるスタッフロールを飾るのが、このメタリックなギターサウンドである。最初から最後まで力強い疾走感を保ちつつ、金属質の派手な轟音が鳴り響くことで、物語が終結したというよりは、今後起こり得る戦いに向けて再起するという印象を与える。長きにわたる任務を終えてなお、己を律して奮い立たんとするプログレッシブな情熱に満ちた一曲である。

このノイジーな感じがたまらないです。特にエピローグの曲が(難易度別に4曲ありますが、いずれも)落ち着いた雰囲気のものなので、その後に聴くとなおのこと印象深いです。せっかくなのでエピローグの曲も一つだけ、ハードモードでクリアした際に流れる『Light of Silence』(これも山西さんの作曲)を貼っておきます。

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