VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#700 『Esperanto』(梅垣留奈/ロックマンゼロ4/GBA)

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カプコンがおくるアクション・ロックマンより、

梅垣留奈作曲、ゼロ4の『Esperanto』(『エスペラント』とも)。

エリア・ゼロで流れます。

ロックマンシリーズのうち、ゼロを主人公に据えたロックマンゼロシリーズのナンバリング4作目にして最終作にあたる本作。強権的な支配体制で混迷を極めるネオ・アルカディアを舞台に、ゼロたちレジスタンスは脱走した人間を救助し、人間たちの集落があるというエリア・ゼロを目指すことになる。シリーズのなかでも特に人間キャラの描写が多く、新武器として敵の武装を奪って攻撃するゼロナックルが登場したり、初めから好みの順番でステージを攻略したりできるなど、従来とは一味異なる要素が詰め込まれている。後にシリーズ4作をまとめたゼロコレクションがDS向けに登場した。

本作の音楽を担当するのは板倉真一氏、梅垣留奈氏、鈴木マサキ氏、山田一法氏の四名。シリーズ初参加の板倉氏を除き、いずれも本作の開発元であるインティクリエイツのサウンドチーム・III(社外メンバーも多数参加している)に所属している作曲家たちである。なかでも山田氏はシリーズ1作目から携わっていて、本作では作曲はもちろん、サウンドプロデュースとサウンドデザインも兼任している。サウンドトラックは本編未使用のイメージソングやドラマパートなどを含めたリマスター盤(IIIによるフルアレンジ)が発売されているが、オリジナル音源のものは画集やミニサントラが付属したCAPCOM SPECIAL SELECTIONにごく一部だけ収録されている。なお、曲名は英語表記と日本語表記が両方存在する。

本作の重要な土地であり、かつて宇宙コロニーが墜落した現場でありながら、緩やかな回復を遂げて人間が生活できる規模の自然が残されているのがエリア・ゼロである。そこで流れるこの曲は、明るく爽やかで、突き抜けるような疾走感にあふれる曲調に仕上がっている。エレキギターの清々しいメロディーラインに浮遊感のある伴奏、ベースの渋いフレーズに重めだがリズミカルなパーカッションが寄り添い合うことで、勇ましくも切ない雰囲気を醸し出していて、青々と茂る森林地帯と道中に散らばるコロニーの残骸、自然と人工物との対比を鮮やかに描き出している。本作を代表する一曲である。

曲名は国際語として開発された人工言語エスペラントおよび当該言語で「希望する者」を意味しますが、センスのあるタイトルですね。リマスター盤のアレンジもあわせてどうぞ。

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