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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#720 『ラストバトル - エンマ大王 参戦!!!』(西郷憲一郎/妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている/NS)

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レベルファイブがおくるRPG妖怪ウォッチより、

西郷憲一郎作曲、4の『ラストバトル - エンマ大王 参戦!!!』。

ラスボス戦のうち、イベントを挟んで覚醒エンマが参戦するシーン以降で流れます。

携帯機で展開してきた妖怪ウォッチのナンバリング4作目として、シリーズ初となる家庭用機のスイッチ向けに登場した本作。現代・過去・未来・妖魔界の四つの世界を行き来しながら、ケータをはじめとするウォッチ使いの少年少女たちは、人間と妖怪をめぐる壮絶な物語に巻き込まれていく。アニメさながらに動く表現力豊かなグラフィックに、劇場版キャラも含めた総勢6人の主人公が織り成す時空を越えた冒険譚が特徴で、従来のオート戦闘とは決定的に異なる、フィールドを自由に駆け回るフリーラン形式による戦闘システムが導入されている。今までのメディアミックスの総決算とも言うべき仕上がりとなっている。後に新要素を加えたマイナーチェンジ版がスイッチとPS4で発売された。

本作の音楽を担当するのは西郷憲一郎氏。劇場版の劇伴も含め、妖怪ウォッチシリーズの作曲をすべて手がけているレベルファイブ所属の作曲家である。本作では初出の新曲以外にも、過去作からの流用曲、アレンジ曲、劇場版由来の楽曲など、様々な妖怪ウォッチサウンドが一堂に会していて、おどけた雰囲気のものからシリアスな雰囲気のものまで幅広く収録されている。サウンドトラックは現時点では未発売だが、ゲーム中の音楽アプリから曲名の確認および各曲の試聴が可能となっている。

ラストバトルのうち、一旦イベントを挟んでから覚醒エンマが助太刀に現れるシーンと、その後の戦闘で流れるのがこの曲である。エンマ大王は妖魔界を統べる王であり、その覚醒した姿は神にも匹敵するほどの力を持つが、そうした頼もしい状況、勝利が目前に迫ったシチュエーションを、この優雅なオーケストラサウンドが最高潮にまで盛り上げてくれる。静かで神秘的なイントロに、シリーズ通してのメインテーマを載せて徐々に壮大さを蓄えていくと、そこからじわじわと楽器の種類を増やし、ますます豪華絢爛な印象を与える。1分半過ぎの間奏では、時折いかにも妖怪然とした隙間風が吹き荒ぶような音色が挿入され、オクターブを変えながら、2分12秒以降の本命のサビに襷を渡す。世界の命運を賭けて人間と妖怪が共闘する最終決戦の展開にふさわしい、圧倒的な迫力と妖気に満ちた一曲である。

この曲は本作が初出かというと、映画やアプリで先行収録されていたようなので微妙なところですが、先行収録版とは若干異なる箇所があるので良しとしましょう。ちなみにメインテーマ『妖怪ウォッチのテーマ』も参考までにどうぞ。

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