VGM格納庫

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#868 『The grubby dark blue』(山西利治/サンダーフォースIII/MD)

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テクノソフトがおくるシューティング・サンダーフォースより、

西利治作曲、『The grubby dark blue』(『The Grubby Dark Blue』とも)。

惑星セイレーンの道中で流れます。

PCで展開してきたサンダーフォースシリーズのうち、コンソール向けに登場したナンバリング3作目にあたる本作。5つの惑星に点在する亜空間転移システムにより守られているオーン帝国に対抗すべく、銀河連邦は惑星に潜入できる小型高機動戦闘機・ステュクスに命運を託すことになる。全8面構成で、開始時に前半5ステージのいずれかを選んで攻略していく。前作はトップビューとサイドビューが混在していたが、本作は横スクロールで固定されている点が大きな特徴で、全方向が廃止された分、各ステージの構成やギミックが非常に充実している。死に覚え要素の強い高難度なゲーム性や、ハード性能を活かした鮮麗なグラフィックと相まって、路線変更しつつも堅実にまとまった仕上がりとなっている。後にアーケードやスーファミ3DSメガドラミニなどに移植された。

本作の音楽を担当するのは大谷智巳氏と山西利治氏。効果音制作および1曲のみの参加で新井直介氏も携わっている。いずれも当時テクノソフトに所属していた作曲家で、このうち大谷氏は前作から引き続き手がけている。本作では前作で築いたシャープなロックサウンドを継承し、ノリの良さと重厚感が両立した楽曲が勢揃いしている。サウンドトラックはMD音源を収録したものと、MD音源とAC音源を両方収録したものが存在し、大文字の規則など曲名の細かい表記が異なる(ここでは前者に倣う)。

前半5ステージのうちの一つである、惑星セイレーンの道中で流れるのがこの曲である。セイレーンは美しい藍色の惑星で、自機は水中を移動することになる、いわゆる水中面で、泡に触れると強制的に自機が上方向に浮き上がる特殊な仕掛けがある。水中面から連想し得る神秘的な浮遊感とは一味異なる、力強い疾走感を誇る泣きメロで表現している点が印象深く、意に反して浮上してしまうもどかしさを吹き飛ばすような迫力にあふれている。ループ前の1分3秒からのフレーズでは、さながらハープの音階を想起させる豊かな伴奏が加わり、勢いを保ちつつ美しさも覗かせる。躍動的な魅力に満ちた一曲である。

惑星自体は美しいんですが、曲名にあるgrubbyは「不潔な、地虫の湧いた」という意味です。ニュッと伸びるそれっぽい敵が登場するからでしょうか。ちなみにこの曲の他には、ステージクリアのジングル『Stage clear』(これも山西さんによる)がすごく爽快感があって好きです。短いのでぜひ聴いていってください。

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