迫田敏明作曲、『Theme』。メインステージで流れます。
エイリアンクラッシュに次いで、ピンボールを題材にしたナグザットピンボールシリーズの2作目として登場した本作。基本的なルールは前作同様、実在の遊戯に則したオーソドックスなもので、宇宙人をモチーフにした前作に代わり、本作は悪魔を扱っている。骸骨騎士や魔術師といった異形の者たちが徘徊するゴシックホラー風の秀逸な世界観が特徴で、上・中・下の三段構成のステージに凝縮されたギミックの数々を活用しながらハイスコアを目指していく。メインとなるステージに加え、一定条件を満たすと解禁されるボーナスステージも複数用意されていて、ピンボールの面白さをとことん追求した仕上がりとなっている。後にメガドライブにも移植された。
本作の音楽を担当するのは迫田敏明氏と塚本雅信氏。ともに当時コンパイル(本作の開発元)に所属していた作曲家である。このうち迫田氏は前作を、塚本氏は後発の邪気破壊をそれぞれ単独で作曲している。また、メガドライブ版(移植を担当したのはテクノソフト)のスタッフロールでは音楽の欄でふぁんきい素浪人こと山西利治氏、OMENこと吉田猛氏、ゆんけるマタイこと新井直介氏の名前も確認できる。前作ではゲーム開始前に曲を選択できたが、本作ではメインBGMが1曲になり、その分気合いの入った出来映えとなっている。おどろおどろしくも勇ましい楽曲が、緊張感たっぷりにピンボールを盛り上げてくれる。サウンドトラックは本作単体のオリジナル音源のものは発売されていないが、前作2曲と本作9曲を収録したアレンジ盤が存在する。
本作のメインテーマとして、ボーナスステージを除きゲーム中ずっと流れるのがこの曲である。階段を滑り落ちるような独特なイントロから始まり、続いて奏でられるメロディーラインは、かすかな憂いを孕みつつ、疾走感たっぷりに展開していく。高速で走り回る即興風の電子音が、さらに目まぐるしいほどのスピード感を蓄えていき、1分50秒でようやく終息したかと思いきや、そこからまた息を吹き返して力強く再始動する。1ループ3分を超える大曲として、終始変わらぬ悲愴感を漂わせながら、様々な旋律が複雑に絡み合う仕上がりとなっている。
曲名は一応アレンジ盤準拠ですが、『Main Table』等の呼称もあるようですね。メタリックな色味が増していかにもテクノソフトっぽくなったメガドラ版のアレンジもあわせてどうぞ。