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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#955 『Street Fight』(中村和宏/タイムクライシス2/AC)

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ナムコがおくるガンシューティングタイムクライシスより、

KAZ'HIGE'NAKAMURAこと中村和宏作・編曲、『Street Fight』。

前作の『作戦開始 [2nd Theme from Time Crisis]』のアレンジで、

ステージ1-1などで流れます。

銃の形をしたコントローラと踏む・踏まないの使い分けで物陰に隠れられるフットペダルによる、撃って隠れるゲーム性が特徴のタイムクライシスシリーズの第2作にあたる本作。通信衛星を打ち上げると偽って軍事衛星を打ち上げ、世界を手中に収めんとするネオダイン・インダストリー社に対し、国際特殊諜報機関・VSSEに所属するキースとロバートは、社内に潜入した女スパイの保護と計画の阻止のために奔走することになる。基本的なシステムは概ね前作を踏襲しているが、新たに筐体が二台隣り合うような設計にすることで、1プレイヤーにつき1画面、最大2人までの協力プレイに対応するようになった。時間制限は従来のステージごとではなく各戦闘場面で設けられているほか、敵弾が赤く光ることで視覚的に危機を察知しやすくなり、加えてスコアが弾の命中位置によって変化するようになった。ボートチェイスのような躍動的なステージ演出も追加され、シリーズの肝となる要素が順当に揃った仕上がりとなっている。後にPS2に移植された。

本作の音楽を担当するのはKAZ'HIGE'NAKAMURAこと中村和宏氏。PS2版では中鶴潤一氏も携わっていて、機種間で音源が異なる。中村氏は当時、中鶴氏は今もナムコ(現バンダイナムコ)に所属する作曲家である。両名とも効果音も含めてクレジットされていて、中村氏は前作に引き続きの参加である。本作では前作のメインテーマや戦闘曲などの主要な楽曲のアレンジを取り入れながら、おなじみのアクション映画さながらの作風に合わせたドラマチックで重厚なサウンドを揃えている。また、筐体の特徴として重低音が響きやすいようなウーファーを備えている。サウンドトラックはアーケード音源のもののみ発売されている。

ステージ1-1、2-2、3-2で流れるのがこの曲である。前作においてステージ1-1ほか複数箇所で流れた『作戦開始 [2nd Theme from Time Crisis]』のアレンジで、スタイリッシュなスピード感を誇る原曲と比較して、重く威圧的な音使いが目立つ編曲が施されている。インダストリアルメタルを想起させるようなガンガン鳴り響く轟音が印象的で、喧騒に巻き込まれながらも21秒から馴染みのフレーズが入ると、ノイジーかつスリリングなヴァイブを生み出す。その後も勢いを保ち続け、53秒あたりで開放的なシンセストリングスが奏でられても、変わることなく終始けたたましい曲調を貫き通す。派手な銃撃戦を彩るにふさわしい、激しく騒がしく闘志みなぎる一曲である。

妙な例えですが、爆竹を曲で表したらこんな感じになるんでしょうかね。ちなみに本作のモードセレクトの曲も『作戦開始』のアレンジです。前作の『作戦開始 [2nd Theme from Time Crisis]』(メドレーっぽく繋がってます)とモードセレクト『2nd Theme from Time Crisis 'Again'』、あとややシネマティックな色合いが強いPS2版の『Street Fight』もあわせてお聴きください。

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