インテリジェントシステムズがおくるシミュレーションRPG・FEより、
辻横由佳作曲・金﨑猛編曲、Echoesの『神よ、その黄昏よ』。
原曲は『戦闘マップ5 最終MAP BGM(プレイヤー側)』で、最終マップで流れます。
1992年に発売されたファイアーエムブレム外伝の大幅なリメイク作として登場した本作。数奇な運命を課せられた戦士アルムと神官セリカの二人の主人公が、それぞれの軍を率いてバレンシア大陸を舞台に巻き起こる戦乱に身を投じていくことになる。原作におけるシナリオの大筋や主要キャラを踏襲しつつ、リメイクするにあたって現代的なグラフィックやシステムが取り入れられ、新キャラや新ストーリーも追加されて全体的にかなり大胆に肉付けされている。25年の歳月を経て真新しく蘇った仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは金﨑猛氏、関河義人氏、馬場泰久氏、村上聖氏、和田貴史氏。音楽制作会社Dimension Cruiseの代表である和田氏を除き、いずれもインテリジェントシステムズに所属する作曲家である。また、原作の作曲は辻横由佳氏で、本作ではリメイクに伴って追加された完全新曲はもちろん、辻横氏の作曲した原曲が数多くアレンジされている。なかでもサウンドディレクターを務める金﨑氏が中心となって作曲していて、ファミコン音源からハイレゾ音源に、をモットーに、全曲に生演奏を用いている点が特徴である。サウンドトラックは本作の楽曲は4枚組、さらにデータCDとして原作の音源やゲーム内ムービーなども収録したものが発売されている。
物語の最終盤、最終マップの自軍フェイズで流れるのがこの曲である。原曲はいささか事務的な曲名だが、素朴なファミコン音源でありながらさながら重厚さの限界への挑戦とも言えるほど勇ましく、アレンジに際してはその勇ましさに磨きがかかった仕上がりとなっている。新たに与えられた勇壮で厳粛な曲名に違わず、壮大なオーケストラとともに神々しく響くコーラスは、目を見張るほどの壮美で絢爛な空気感を演出する。最終マップでは、半ば喧嘩別れのような形で別行動をとることになった二人の主人公率いる両陣営がようやく合流することになるが、そうした象徴的な邂逅のシーンとあわせて、凄絶な最終決戦の場面を、1ループ4分近くにわたる力強い演奏が鮮やかに描き切っている。
各キャラが戦闘開始時に発する台詞の熱さがまたすごく印象的で、よくぞここまでの熱量を込められたものですね。原曲もあわせてどうぞ。