VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#105 『Sword Sparks』(関戸剛/ラスト レムナント/X360)

www.youtube.com

スクエニがおくるRPGラストレムナントより、

関戸剛作曲、『Sword Sparks』。野外のフィールドにおける戦闘で流れます。

サガシリーズのスタッフが集結して開発した完全新作の新機軸RPGである本作。四つの異なる種族と、強大な力を持つ謎の遺跡・レムナントが存在する世界を舞台に、ミトラ族の青年・ラッシュは、突如謎の組織にさらわれた妹を救うべく旅に出ることになる。サガ譲りの戦闘システムの奥深さが特徴で、シンボルエンカウント方式のコマンドバトルながらも、一度の戦闘に参加する味方の数が非常に多く、ユニット単位ではなく最大5人のユニオン単位で行動を指揮していく。勢力の士気や陣形も影響して戦況が刻一刻と変化することから、非常に歯応えたっぷりのシビアなゲームバランスとなっている。後に大幅なバランス調整を施して追加要素を付したPC版が登場したほか、リマスター版がPS4とスイッチ向けに発売された。

本作の音楽を担当するのは関戸剛氏と山中康央氏。いずれもスクエニに所属する作曲家で、山中氏はシンセオペレータとしてマニピュレートを主に担当したため、ほとんどの楽曲は関戸氏の作曲となっている。サガ繋がりでいうと、関戸氏はミンサガの編曲を務めていた経験があるが、サガシリーズサウンドとはまた異なる方向性で、本作では迫力あるロックサウンドを生み出している。特に戦闘曲まわりが充実していて、屋内、野外、大軍勢といったシーン別のみならず、戦闘中の優勢や劣勢といったシチュエーション別でも曲が切り替わる仕組みとなっている。サウンドトラックにはTGS2007で用いられた楽曲も含めて収録されている。

野外のフィールドにおける戦闘(優勢でも劣勢でもない通常時)で流れるのがこの曲である。イントロからフルスロットルの勢いで奏でられるエレキギターとストリングスの豪快な音色が印象的で、双方が重なり合うことで適度に緊張感を煽ってくれる。コーラスのような神秘的な音色を伴奏に据えることでどこかシンフォニックな印象を与えつつも、一貫してヒロイックなロックサウンドが紡がれ、野外戦ならではの開放感と昂揚感を生み出す。剣と剣がぶつかり合って火花が散る切迫した様子を、曲名だけでなく音によって表現した一曲である。

格好良いですね。1分20秒頃でストリングスが短い間隔でミの音を連続するところとか、すごく切迫感があって好きです。