辻横由佳作曲・酒井省吾編曲、DXの『ファイアーエムブレム』。
神殿の裏曲として流れます。
人気キャラクターを吹っ飛ばして遊ぶ愉快なスマブラシリーズのうち、ゲームキューブ向けに登場した本作。2作目にしてシリーズ随一のスピード感と完成度を誇る本作は、参戦キャラが倍増し、肝となる大乱闘以外にも一人用の新要素としてアドベンチャーやオールスターといったモードが追加された。手に馴染むゲームキューブコントローラによる抜群の操作性、歯応えのあるゲームバランス、高水準のグラフィックなど、前作から大幅に進化した諸々のゲーム性が特徴で、今なお根強い人気を誇る仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは安藤浩和氏、池上正氏、橘田拓人氏、酒井省吾氏。橘田氏と酒井氏は当時、安藤氏と池上氏は現在もHAL研に所属する作曲家である。本作ではマリオやゼルダ、初参戦のマザーやファイアーエムブレムなど、様々な任天堂タイトルの楽曲が賑やかに編曲されている。原曲の持ち味を活かしつつ、クロスオーバーの乱闘気分を気持ち良く盛り上げてくれるようなサウンドが揃っている。サウンドトラックは未発売だが、続編のXやforでもたびたび本作のアレンジが引き継がれている。
これといったギミックがない代わりに、広大で入り組んだ構造が特徴の神殿ステージ。ダメージが蓄積しても逃げ延びやすい反面、敵を仕留めにくいこともあり、プレイヤーの実力を試すにはもってこいのバトルフィールドである。その神殿の裏ステージで流れるこの曲は、疾走感あふれる『出会い』と荘厳な響きを持つ『ファイアーエムブレムのテーマ』をメドレーで繋げた壮大なアレンジに仕上がっている。ピアノの美しい間奏を経て、毛色の違う二つの曲を綺麗に合体させることで、激しい乱闘をメリハリ豊かに彩る。戦いの焦燥感と昂揚感を凝縮した一曲である。
神殿は今でも大好きなステージで、大人数で対戦するならここが一番だと思っています。