VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#172 『overcome』(景山将太/CHUNITHM/AC)

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セガががおくる音楽ゲーム・CHUNITHMより、

景山将太作曲、『overcome』。本作オリジナルの初期曲の一つ。

maimaiの開発チームによる「空間を切り裂く新感覚音ゲー」として登場した本作。グラウンドスライダーと呼ばれるタッチパネルと、エアストリングスと呼ばれる空中センサーを駆使して、音楽にあわせてリズムを刻んでいくことになる。その直感的ながらも斬新な操作性が最大の特徴で、空間を切り裂くという謳い文句通り、腕を振り上げたり振り下げたりホールドしたりして、それとなく気取った演奏姿を披露することができる。キャラクターをセットすると譜面攻略の手助けになるスキルを発動させられるなど、手軽に遊べるように難易度を緩和する仕組みも導入されている。後にバージョンアップ版のPLUSが登場した。

本作の音楽は各方面からの多数の作曲家たちによるオリジナル曲の他、人気のアニメソングやポップスなど、幅広いジャンルの楽曲が一通り揃っている。頻繁に他作品とのコラボもおこなっていて、コラボ先の楽曲も多数収録されていて、随時更新されている。オリジナル曲に関してはセガ所属の光吉猛修氏などの社内コンポーザーのみならず、植松氏、古代氏、下村氏など名だたる作曲家たちをゲストとして招集している。サウウンドトラックについては、細々と分かれて収録されたもののほか、AIR PLUSまでのオリジナル楽曲を収録したベストアルバムが発売されている。

オリジナルの曲として稼働された当初からプレイアブルである初期曲の一つがこの曲である。曲に対応するキャラクターが、重責を担う一国の王子という設定のため、どこか浮世離れしたファンタジーテイストな仕上がりとなっている。ストリングス、ピアノ、ギター、フルート、カスタネットなどなど、様々な楽器を組み合わせて徐々にサビに向けて盛り上げ、最終的にはエレキギターの荒々しくも哀愁を帯びた旋律を轟かせることで、どことなく切ない余韻を残す。曲名にある通り、困難にぶつかり、それを乗り越えていく過程が、起伏に富んだメロディアスな曲調によって表現されている。

この曲の盛り上げ方と言いますか、全体の雰囲気のようなものが、同じく景山さんの作曲でポケモンXYの『クノエシティ』に近い気がします。あちらはエレキギターがない分しっとりしていますね。ご参考までにどうぞ。

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