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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#173 『TOADMAN STAGE』(藤井美苗/ロックマン4 新たな野望!!/FC)

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カプコンがおくるアクション・ロックマンより、

藤井美苗作曲、4の『TOADMAN STAGE』。トードマンステージで流れます。

ロックマンシリーズのうち、本編ナンバリング4作目にあたる本作。宿敵・Dr.ワイリーが姿を消すも、新たに天才科学者・Dr.コサックが世界各地の都市を制圧して宣戦布告、ロックマンは再び悪に立ち向かうことになる。新兵器・ニューロックバスターの導入により、基本アクションに高威力のチャージショットが加わったことで、戦略の幅が広がり、ゲームバランスが大きく変化した。また、ボスがドロップする特殊武器が充実していて、敵の動きを止めつつ攻撃もできるフラッシュストッパーや水陸両用で敵を追尾するダイブミサイルなど、どれも使い勝手の良いものが用意されている。意欲的な要素が多いながらも高水準にまとまった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはOJALINこと藤井美苗氏。当時カプコンに所属していた作曲家で、ロックマンシリーズに携わるのは現時点において本作が最初でほぼ最後(歴代作曲家が集結したロックマン10にて1曲のみ参加しているが、それ以外は関わっていない)である。本作では、名前が示す通りDr.コサック関連の曲にはロシア風のサウンドを取り入れられていて、制約の多いファミコン音源でも遊び心のある楽曲が揃っている。サウンドトラックはシリーズのファミコン音楽全集のなかに本作の楽曲も含まれているほか、25周年記念のサウンドBOXのなかに、ファミコン音源・PS用の移植版(コンプリートワークス)のアレンジ音源・ボーナストラックがまとめて収録されている。

あちらこちらに滝や水路が配置され、絶えず雨が降りしきるトードマンステージで流れるのがこの曲である。ゆっくりと溜めてから解き放たれるイントロが特徴的で、怪しくも勇ましいメロディーラインが昂揚感を駆り立てる。雨の影響で滑りやすくなっているステージを、しっかりと足場を固めたディープなデジタルサウンドで彩りつつ、ここぞとばかりにリズミカルな三連符を挿入することにより、疾走感あふれる強固なベースラインに独特な浮遊感を生み出している。短いが耳に残るようなキャッチーさを誇る一曲である。

コンプリートワークス版は浮遊感を増したお洒落なエレクトロニックなアレンジです。あわせてどうぞ。

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