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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#497 『Lost Valley』(大谷智哉/ソニックフォース/NS・PS4・XOne・PC)

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セガがおくるハイスピードアクション・ソニックより、

大谷智哉作曲、フォースの『Lost Valley』。ロストバレーで流れます。

音速のハリネズミことソニックが縦横無尽に走り回るソニックシリーズのうち、2Dのクラシックソニックと3Dのモダンソニックの両方の要素を兼ね備えた最新作にあたる本作。99%がエッグマンの手に落ちてしまった世界を舞台に、ソニックと仲間たちはレジスタンスを結成して未曾有の危機に立ち向かうことになる。前述のクラシックソニック、モダンソニックに加え、自分好みにカスタマイズ可能なプレイヤーの分身・アバターを操作することもでき、いずれのモードもド直球のハイスピードアクションが楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは江口貴勅氏、大谷智哉氏、床井健一氏、幡谷尚史氏の四名。編曲のみで蓑部雄崇氏も参加している。江口氏を除く三名はセガに所属している(蓑部氏はかつて所属していたが、離籍後もセガの作品に携わることが多い)作曲家で、ソニックシリーズおなじみの顔ぶれである。本作ではDouglas Robb氏が歌い上げるパワフルなメインテーマを始め、随所にボーカル曲が用意されているのが特徴で、ソニックらしい疾走感に満ちたヒロイックでドラマチックな楽曲が多く収録されている。サウンドトラックは通常のオリジナルサントラに加え、ボーカル曲のみをフィーチャーしたアルバムも発売されている。

ゲーム開始直後に訪れるグリーンヒルの最初のステージ・ロストバレーは、道中に3Dと2Dの切り替わる地点がある、チュートリアル的な要素の強いエリアである。初めのうちは緑豊かないつも通りのグリーンヒルだが、進めば進むほど見渡す限り砂だらけになり、ソニックの台詞通りグリーンヒルというよりはサンドヘルという様相を呈している。そこで流れるこの曲は、そんな荒廃した様子とは裏腹に、颯爽と駆け抜けるエレキギターシンセサイザーのスピーディーな旋律が心地良い一曲である。ピアノとベースとドラムが奏でるノリノリな伴奏は、熱い主旋律をさらにいっそう燃え上がらせ、灼熱の爽快感にあふれた仕上がりとなっている。壮大な冒険の幕開けにぴったりなエネルギッシュなロックナンバーである。

ハイスピードというコンセプトが一発で分かるような迫力満点の一曲ですね。