濱本理央作曲、3Dの『Angel Halo』。レース曲の一つ。
リッジレーサーシリーズのうち、3DSの発売と同時にローンチタイトルとして登場した本作。ハイスピードなマシンを操りながらグランプリやクイックツアーなどの様々なレースを勝ち抜くことになる。3DSならではの特性を最大限に活かした奥行きたっぷりの立体視が特徴で、モードによってはスピード重視やコーナリング重視といった自由なオプションを適用して自分だけのレースを組むことができる。肝となるドリフトの操作性も複雑さを排したものとなり、すれちがい通信でプレイヤー同士のゴーストを交換し合って対戦できるようにもなった。グラフィック面にやや粗があるが、リッジらしさを引き出した手堅い仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは井上拓氏、大久保博氏、岡部啓一氏、濱本理央氏、渡辺量氏、LindaAI-CUE（石川哲彦）氏、SamplingMasters MEGA（細江慎治）氏、SamplingMasters Aya（佐宗綾子）氏。シリーズ馴染みの顔ぶれである岡部氏（音楽制作会社モナカ所属）、SamplingMasters両氏（音楽制作会社スーパースィープ所属）を除き、いずれも当時バンナムに在籍していたか現在もしている作曲家である。このうち濱本氏は6以降シリーズに携わっていて、本作においても豪快で気鋭のリッジサウンドは、ハードの移行に伴った力強い進化を十二分に味わうことができる。サウンドトラックはボーカル曲も含めて収録されている。
レース曲のうちの一つがこの曲である。本作にて濱本氏が担当する3曲はいずれもシャープでパワフルなギター曲に仕上がっている。どこか瘴気をまとった棘々しさのある『Venomous』、傍若無人に猛り狂った『Heat Shadows』と比較すると、この曲は、それらに負けず劣らずの激しさを内包しつつも、一切の毒気を感じさせない爽快さを併せ持つ。アップテンポに奏でられるビートと、アグレッシブにフレーズを反復するメロディーラインは、非常に力強い疾走感と思い切りの良さを滲ませている。「天使の光輪」を意味する曲名らしく、後腐れも後ろ暗さもない旭日昇天の勢いに満ちた一曲である。
この曲と『Venomous』は太鼓の達人にも収録されているので、そちらで聴き覚えもしくは遊び覚えのある方もすくなくないでしょう。『Venomous』と『Heat Shadows』、あわせてどうぞ。
