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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1240 『スクールBGM』(大久保博/ファミリースキー ワールドスキー&スノーボード/Wii)

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バンダイナムコがおくるスノーリゾート体験ゲーム・ファミリースキーより、

大久保博作曲、ワールドスキー&スノーボードの『スクールBGM』。

スクールで流れます。

Wiiでウィンタースポーツを体験できるファミリースキーシリーズの2作目にあたる本作。ジャンボリースノーリゾート(広大な人工リゾート)とマウント・アングリオ(大自然の雪山)の二つのゲレンデを舞台に、直感操作でスキーとスノーボードを楽しむことができる。前作は種目がスキーのみで、ゲレンデは一つ、架空の国内のスキー場を舞台としていたが、本作では海外に移ってゲレンデが二つになり、新たにスノーボードも遊べるようになった。引き続き周辺機器のバランスWiiボードに対応していて、重心を使った体感的な操作で滑走できる一方で、通常のWiiリモコンとヌンチャクの組み合わせでも、基本アクションから巧みなトリックまで様々な動作を再現することができる。一人で気ままに滑るだけでなく、NPCとバディを組んで一緒に遊んだり、レースやスラロームといったイベントに挑戦したり、ツアーに参加して景色の雄大さを堪能したりする要素も含まれる。そのほか、特定の条件を満たすことで得られるサムズアップというやり込み要素が搭載されている。総じて前作から順当に遊びの幅とスケール感が強化された仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは内田哲也氏、大久保博氏、高橋みなも氏、濱本理央氏。内田氏は当時、他は現在もバンダイナムコに所属する作曲家である。このうち大久保氏と高橋氏は前作でも作曲している。前作同様、レジャー気分を盛り上げるクラブやカントリーなどの軽快なサウンドが揃っていて、一部の楽曲は前作から流用されている。前作ではゲレンデで松任谷由実氏の歌を流せる点が印象的だったが、本作ではボーカル入りはなくなった代わりに流せる曲の選択肢が増え、各種ナムコBGM(リッジレーサーもじぴったん太鼓の達人アイマスのオフボーカル)を聴きながら滑走することができる。楽曲の多彩さに加えて、場内放送をはじめとする効果音や、音の質感、響き具合などにもこだわっていて、実際のゲレンデらしい雰囲気づくりを追求している。サウンドトラックについては、本作で用いられたオリジナル曲やジングルに絞って収録されている。

スクールで流れるのがこの曲である。レッスン形式で基礎から高難度のテクニックまで幅広く学ぶことができるチュートリアルのことで、講師による解説とお手本、そしてプレイヤーの実践パートが用意されている。はじめはノリと落ち着きを兼ね備えたテクノやファンク風のリズムで、適度にモチベーションを保たせてくれる。16秒から音数が増えて徐々に賑やかになっていき、32秒でハーモニカによる主旋律が入ると、カントリー・ブルースに通ずるような小気味良さと味わい深さを醸すようになる。曲の大部分が似たり寄ったりなフレーズの繰り返しで構成されているが、それがいかにもチュートリアルらしい、真似と反復練習を要する状況によくマッチしている。学びの意欲をうまく引き出してくれるような愉快な一曲である。

ハーモニカの響きがいいですよね。インパクトの強さで言えば、メニューで流れる『セレクトメニューBGM』(同じく大久保さんの作曲)がなかなか濃いですが、個人的に長く聴き続けたいのはこの曲です。メニュー曲もあわせてどうぞ。

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