任天堂がおくるみまもりシミュレーション・Miitopiaより、
井上萌・後田信二・須戸敏之・高橋優海作曲、『決戦! 真超魔王』。
真超魔王戦で流れます。
任天堂ハードで共通して用いられるアバター・Miiを主役に据える本作。同様のコンセプトで一世を風靡したトモコレとはまったく異なる、ファンタジー世界での大冒険が待ち受ける。登場人物すべてに好きなMiiを登録でき、性格次第で予想だにしない行動を取る彼らを、ときに的確なサポートをしながら見守る、というのが本作の肝である。好感度システムによる人間関係の複雑さが描かれるなど、コミカルながらも人情あふれる作風には、一種独特な魅力があり、Miiの未知なる可能性を引き出した仕上がりとなっている。後にスイッチに移植された。
本作の音楽を担当するのは井上萌氏、後田信二氏、須戸敏之氏、高橋優海氏の四名。いずれも任天堂に所属する作曲家たちで、井上氏、後田氏、高橋氏は本作以前にもリズム天国ザ・ベストにて共同で作曲している。須戸氏はDSお料理ナビやファミコンリミックスシリーズでの作曲経験がある。本作はそれらの作品とは明らかに毛色の違う、剣と魔法のRPGモノとなっているが、そうした世界観に沿った200曲以上の収録曲は、ほのぼのからシリアスまで抜け目なくカバーしている。サウンドトラックは未発売だが、作中にサウンドテストが完備されている。
本作では戦闘曲の豊富さがなかなか特徴的で、とりわけ数回にわたり姿かたちを変化させるラスボス戦は、そのシチュエーションも相まって印象に残りやすい。大魔王、超魔王、さらには真超魔王と、自重しないネーミングセンスを披露しつつも、その真超魔王戦にて流れるこの曲は、エレキギターのシャープな音色を轟かせたバリバリのデジロックである。厳めしくも神秘的なクワイアとオルガンで始まり、シンセとエレキギターを融合させながらアグレッシブな音色を奏でる。前のめりなノリを維持しつつ、なかなかサビに辿り着かず溜め続けるが、ようやく2分過ぎでシンセストリングスが参戦すると、今まで以上に極上のスリルと盛り上がりをみせる。2分50秒あたりではエレキギターの即興風のフレーズを組み込んだ後、次のループに向けて再始動することで、まさにクライマックスにふさわしい緊張感と悲壮感を漂わせている。1ループ3分半に及ぶ長さのなか、中弛みすることのない迫力満点な勢いを保ち続ける一曲である。
さらりといくつかのテーマ曲をアレンジしているんですが、個人的には特にイントロが好きです。