アトラスがおくる3DダンジョンRPG・ペルソナQ2より、喜多條敦志作曲、
『Last Scene』。第5シアター内で流れます。
悪魔が蔓延る現代日本の高校を舞台に、もう一人の自分の人格・ペルソナを召喚して怪異と戦うペルソナシリーズ。その人気作P3・P4・P5をクロスオーバーさせたものとして登場した本作は、総勢28名のペルソナ使いが集うオールスター作品である。出口のない映画館に閉じ込められた高校生たちがスクリーン上の映画の世界を探検していくという3DダンジョンRPGの形式をとっていて、前作では登場しなかったP3Pの女主人公も大々的に参戦を果たしているなど、キャラクター同士のタイトルの垣根を越えた交流がクローズアップされた仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは主に喜多條敦志氏。アトラス所属の作曲家である。氏は本作ではメインコンポーザーとして多くの楽曲を作曲していて、P3・P3P・P4・P5で使用された楽曲のアレンジも手がけている。また、本作ではペルソナシリーズおなじみのボーカリスト陣もかなり充実していて、川村ゆみ氏、Lotus Juice氏、藤田真由美氏、平田志穂子氏、Lyn氏などが軽やかに歌い上げるスタイリッシュなボーカル曲も数多く収録されている。ダンジョン曲に関しては、映画の世界を探索するというコンセプトゆえ、ヒーローもの、恐竜もの、SFものなど、様々なシーンに沿った個性豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックはオープニングやエンディングなどの主題歌も含めて3枚組で発売されている。
第5シアター、本作のラストダンジョンである大衆の映画館街は、足元にはフィルムが伝い、周りには扇情的なポスターや煌々と輝くネオンライトが飾り立てられた場所である。そこで流れるこの曲は、ピアノとギターのアンサンブルを中心に据えた曲調で、都会の夜を鮮やかに彩る。張り詰めた空気感を体現するかのごとく、終始シリアスさを貫く音色が印象的で、特に1分44秒頃の間奏には電気ピアノを効果的に用いることで、ジャズっぽい洒落た落ち着きを生む。大きな盛り上がりこそないが、来る最終決戦に向けて静かに闘志をみなぎらせてくれる一曲である。
ゆったりとした曲調ですが、音の隅々に緊張感とか焦燥感のようなものが漂っている気がして、ラスダンにぴったりですね。