グレフとガルチがおくる呪われアクションシューティング・まものろより、
安井洋介作曲、『Superhero』。偽の最終面で流れます。
シューティングゲームの開発を得意とするグレフとガルチ(現カヤックアキバスタジオ)がタッグを組んで共同制作した本作。冥界を舞台に、強制ではなく任意スクロールでゲームが進行していく。ステージはいわゆる通常のコースにあたるワールドと、ボス戦を主体としたミッションの二つに区分され、いずれも活動時間と呼ばれる制限時間内にクリアしていく必要がある。本作特有のシステムとして呪いシステムというものがあり、敵に呪われ状態を付与することで、攻撃パターンが変化するかわりに倒した暁にはアイテムを大量に放出するようになるほか、自ら呪いフィールドに突っ込んで自機を呪うことで、一定時間パワーアップすることができるなど、戦略性に富んだ仕上がりとなっている。後にXbox360に移植され、PS3では冥界活劇モードなる新要素を加えてリメイクされた。
本作の音楽を担当するのは安井洋介氏。スーパースィープに所属する作曲家で、本作では全曲単独で手がけている。本作の楽曲では80年代後半ないしは90年代のシューティングを念頭に、ナムコのアーケード基盤・SYSTEM IIのサウンドを意識したFM音源を取り入れていて、レトロな雰囲気ながらも色褪せることのない新鮮さに満ちた温故知新な出来栄えとなっている。冥界を舞台としているが、暗いどころかむしろ明るくノリノリな楽曲が揃っていて、ほんのり和風な味付けがされている。オリジナルサウンドトラックのほか、360やPS3でのアレンジ曲を収録したアレンジサントラも発売されている。
活動時間が残り1分未満のときに強制的に飛ばされるワールド・最終決戦は、その名に反して実はバッドエンド行の偽物のラストステージである。そうでありながらもそこで流れるこの曲は、クライマックスにぴったりなアップテンポかつハイテンションな仕上がりとなっている。くどいほどこてこてなクサメロと泣きメロで構成された絢爛豪華な旋律は、弾けるように瑞々しい反面、すくなからぬ哀愁をも漂わせていて、有終の美を飾るにふさわしいエネルギッシュな魅力にあふれている。最後まで気持ちよく騙してくれる一曲である。
360のアレンジは安井さんのセルフアレンジで、PS3の冥界活劇アレンジは門間淳さんによるものです。ちなみに同じく門間さんによるボカロアレンジもあります。すべてあわせてどうぞ。