VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#682 『Edwin's Farm』(David J. Franco/Scribblenauts Unlimited/WiiU・3DS)

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5th Cellがおくるパズルゲーム・Scribblenautsより、

David J. Franco作曲、Unlimitedの『Edwin's Farm』(仮称)。

同名のステージで流れます。

単語を書き込むと実体化する不思議のノートを使ってアイテムを生み出し、パズルを解いていくScribblenautsシリーズのうち、3作目(Remix除く)として登場した本作。主人公のMaxwellは、ほんのいたずらで老人に腐ったリンゴを食べさせたがために、その仕返しとして老人の呪いで妹が石化してしまい、妹を救う術を探して不思議のノートとともに旅立つことになる。本作からいわゆるサンドボックス式になり、探索の幅が格段に広がったほか、入力できる単語数も奇を衒ったものを含め順当に増加、今まで語られてこなかったシナリオ面もいくらか充実するようになった。日本国内では未発売だが、後にPCをはじめとする多機種に移植された。

本作の音楽を担当するのはDavid J. Franco氏。Scribblenautsシリーズには欠かさず参加しているイギリス出身の作曲家である。また、一部の編曲は本作のオーディオディレクターを務めるTracy W. Bush氏によるものであるとされている。本作では茶目っ気のあるコミカルな世界観にあわせて、その作風をよく反映した明るく朗らかな楽曲が多く、森や海や火山や廃墟といった様々な場面に沿った温かみのあるアコースティックサウンドが揃っている。サウンドトラックは発売されていないようなので、曲名は便宜上の仮称とする。

最初のステージ「Edwin's Farm」で流れるのがこの曲である。干し草小屋に風車に麦畑、いかにも牧歌的な風景が広がる農場で、本作の醍醐味とも言える基礎的なアクションを学んでいくことになるが、そうしたチュートリアルも兼ねた優しい雰囲気にぴったりな曲調に仕上がっている。ピアノの柔らかな音色が、ギターの麗らかな伴奏や時折挿入される軽快な手拍子やドラムと相まって、非常に耳心地の良い安寧をもたらしてくれる。晴れやかでありながら、同時にすこし切なくもある叙情的な旋律は、包み込むような温もりと多幸感にあふれていて、まさにここから始まるんだという初々しい気持ちをそっと後押ししてくれる一曲である。

なんだか聴いているだけで幸せになれる一曲ですね。2作目までは日本語にもローカライズされていましたが、本作以降は日本語未対応です。