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#821 『エグゼリカ、暁に舞う』(梶原正裕/トリガーハート エグゼリカ/AC)

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童がおくる縦スクロールシューティング・トリガーハートエグゼリカより、

梶原正裕作曲、『エグゼリカ、暁に舞う』。1面道中で流れます。

アーケード用の美少女系のシューティングとして登場した本作。自律戦闘単位集団・ヴァーミスと敵対する少女型兵器・トリガーハートのうち、母星に帰る術をなくし地球に漂着したトリガーハートの少女・エグゼリカとクルエリティアは、地球を襲うヴァーミス残存兵力と戦うことになる。メカと水着を組み合わせたような装甲のキャラが特徴で、攻撃手段は通常のショットのほかに、敵を捕まえて振り回したり身代わりにしたりできるアンカーシュートがある。プレイヤーの実力次第でボスの行動パターンが変化する可変型ボス攻撃システム、通称V.B.A.S.が導入されていて、腕前に応じた難易度が楽しめる仕上がりとなっている。後にドリームキャスト(時期的にかなり末期の異例の移植)やXbox360PS2などに移植された。

本作の音楽を担当するのは梶原正裕氏。フリーランスの作曲家で、ゲーム音楽業界には80年代後期から携わっているベテランである。童製の作品に携わるのは初めてで、各種移植版の作編曲も手がけている。本作ではいかにもシューティングらしいオーソドックスなテクノサウンドが揃っていて、どこかノスタルジックなテイストがある爽快感と疾走感たっぷりの楽曲が勢揃いしている。サウンドトラックはドリキャスの限定版に付属されていて、オリジナルとアレンジ音源がそれぞれ収録されている。

開始直後のSTAGE 1で流れるのがこの曲である。シンセとハイハットで始まるスピーディーなイントロが印象的で、勢いを蓄えつつ20秒過ぎで主旋律が加わる。清涼感のあるキャッチーな泣きメロは、一旦42秒あたりで息を潜め、ピアノのセンチメンタルな音色に主旋律を譲る。その後、ピアノの伴奏として徐々にシンセが存在感を示すと、ようやく1分4秒からのサビで役割を交代して絶妙に耳心地の良いアンサンブルを生み出す。鮮やかで爽やかで、それでいてそこはかとなく郷愁を誘う一曲である。

ドリキャス音源はクサさが増していると言いますか、より騒がしくて強烈な感じです。Xbox360PS2音源はピアノが際立ってスタイリッシュで近未来的なアレンジになっています。二つともあわせてどうぞ。

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