アンブレラクロニクルズより、高田雅史・福田淳編曲、『Blacken Sabbath』。
チャプタークリア後のリザルト画面で流れます。
サバイバルホラーのバイオハザードシリーズのうち、Wii用のスピンオフのガンシューティングにあたる本作。年代記の形式で歴代の主人公たちの活躍を追いつつ、暗躍する巨大製薬会社・アンブレラ社が崩壊に至った経緯をなぞることになる。本編の0、1、3および本作オリジナルの物語をダイジェストで追体験できる点が特徴で、Wiiリモコンの直感的な操作性で迫りくるゾンビを掃討していく。システムは概ねオーソドックスなガンシューを踏襲していて、難易度は全体的に高め、本編のような謎解きや自由移動はないが、一人称視点で敵を撃ち倒すスリルを味わえる仕上がりとなっている。後にPS3向けにHD移植された。
本作の音楽を担当するのは高田雅史氏と福田淳氏。当時グラスホッパーマニファクチュアに所属していた作曲家である。本作では音楽のみ外注という形でGHMの面々が関わっていて、バイオハザードシリーズに携わるのは現時点で本作だけである。恐怖と焦燥を誘うようなサウンドは本作でも健在で、本作用の新曲はもちろん、過去作を描くという性質上、今までのシリーズ作品のアレンジも含まれる。サウンドトラックはゲームの発売後、程なくして登場した。
チャプターをクリアした後に出てくるリザルト画面で流れるのがこの曲である。リザルト画面では、クリアタイムや撃破数、クリティカル数などに応じてランクとポイントが付与され、それをもとに武器の強化などがおこなえる仕組みとなっている。そこで流れるこの曲は、初代のセーブ部屋で流れる『Peace of Mind』(作曲は廣樹輝一氏)のアレンジで、激戦を潜り抜けた安堵感と次の戦いに向けた緊張感とが綯い交ぜになったような独特な曲調が印象的である。浮遊感のあるシンセで、似たり寄ったりの寄せては返すフレーズを繰り返し、安心と不安の間で揺れ動く感覚を見事に表現している。「黒塗りの安息日」という曲名通りのアンビバレンスを体現した一曲である。
ロックバンドのBlack Sabbathから取った曲名だと思いますが、良いですね。『Peace of Mind』もあわせてどうぞ。