VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#962 『Main Menu =garage life=』(柴田徹也/auto modellista/PS2)

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カプコンがおくるネットワークレースゲーム・アウトモデリスタより、

柴田徹也作曲、『Main Menu =garage life=』。garage lifeのメニュー画面で流れます。

カプコン製のオリジナルレースゲームとして登場した本作。13のメーカーの実在の車を自分好みにチューニングして、レースに出場することになる。リアル志向ではなくあえてアーティストトゥーン(いわゆるトゥーンレンダリング)の手法で描写されたグラフィックが特徴で、一人専用でレースを勝ち抜くgarage lifeモード、自由にコースやラップ数を選んで遊ぶarcadeモード、リプレイ映像を鑑賞・編集できるVJ & theaterモード、ネットワーク経由で対戦したり愛車自慢したりできるnetworkモード(現在はサービス終了済み)が搭載されている。車は種類や色のみならず、ナンバープレートやパーツも弄れる仕様で、ガレージの内装も飾ることができる。全体的にコーナーが曲がりにくいなど挙動や操作感にやや難があるものの、幅広いカスタマイズ性とユニークなビジュアルが印象的な仕上がりとなっている。後にゲームキューブXboxに移植されたほか、海外メーカーの車種などを追加した拡張版のU.S.-tunedが発売された。

本作の音楽を担当するのは阿部功氏と柴田徹也氏。いずれも当時カプコンに所属していた作曲家で、阿部氏は2曲のみの参加であるため、柴田氏がメインで手がけている。本作ではレースに適した熱いロックナンバーはもちろん、ジャズやテクノといったスタイリッシュな楽曲も揃っている。また、レースBGMのみならず、特にgarage lifeモードを中心にチューニング専用のBGMなどが多めに用意されているほか、VJ & theaterモードにはゲストアーティストとしてイギリスのトランスユニット・Lab-4が楽曲を提供している。サウンドトラックはLab-4の担当曲も込みで2枚組で収録されている。

garage lifeモードのメニュー画面で流れるのがこの曲である。レースに出場するか、車をチューニングするか、あるいはガレージの内装をカスタマイズするか、様々な選択肢が提示される場面を、スムーズジャズ系の瑞々しい曲調で彩る。エレキギターの控えめだが切れ味のある音色に、グルーヴィーなラッパの旋律が加わり、そこにテンポよくドラムが合いの手を入れることで、小気味良い昂揚感をもたらす。落ち着いた雰囲気ながらも刺激的な印象を与え、1分過ぎからはエレクトリックピアノの滑らかな間奏が紡がれると、フレーズが終わる1分17秒頃に弾けるようなラッパのソロが奏でられる。メニュー画面らしい穏やかなエネルギーに満ちた一曲である。

garage lifeではない通常のメニュー画面『Main Menu ~Car Select~ Course Select』(メドレーなどではなく、車種・コース選択も同じ曲が流れ続けます)も気に入っています。レース曲なら『Cruisin'』が好みです。あわせてどうぞ。

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