Early Melonがおくる格闘プラットフォームバトルアクション・Roof Rageより、
Pentadrangle作曲、『Myanmar Madness』。Myanmarのステージで流れます。
Early Melon名義で知られるフランスのインディー開発者・Jeremy Klemke氏の個人制作にあたる本作。屋根の上を舞台に、ローカル対戦で最大8人までのキャラが乱闘することになる。体力を削るか場外に吹っ飛ばせば敵を倒せる仕組みのスマブラライクな格闘ゲームで、ドット絵によるレトロなグラフィックと、屋根の上をフィーチャーしたステージ群が特徴である。プレイアブルキャラは計13人、侍や棒術家、相撲取りといったアジアンテイストなメンバーが揃っていて、飛び道具ありの個性豊かなアクションを楽しめる。ローカルプレイでの多人数対戦がメインだが、CPU対戦やオンラインのランダムマッチも存在し、8人対戦時とは一味異なるタイマン勝負に挑戦できる。カジュアルな操作体系でスピーディーな対戦を堪能できる仕上がりとなっている。後にスイッチに移植された。
本作の音楽を担当するのはPentadrangle(Enrique Martín)氏。スペイン出身の作曲家で、主にインディーゲームへの楽曲提供をしている。チップチューン系の作風を持ち味としていて、本作でも16bit風のロックナンバーを書き下ろしている。本作は武道がモチーフで、キャラの出自もステージのロケーションも軒並みアジアであるため、楽曲も東洋らしさを意識したものとなっている。また、残りストック1対1の決闘になると、ゲームテンポが向上するのとともに、サウンド面でもShowdownバージョンという専用のアップテンポアレンジがかかる。サウンドトラックはSteamのDLCとして配信されているほか、Pentadrangle氏のBandcampでも販売されている。
Myanmarで流れるのがこの曲である。高さが異なる二つの仏塔が並ぶステージで、塔と塔の間、つまり画面中央に足場がないのが特徴である。落下の危険が付きまとう白熱の対戦を、レトロな電子音とエレキギターが組み合わさったハードロック系の曲調で盛り上げてくれる。焦燥を煽るような伴奏で慎重かつ執拗にフレーズを反復するが、42秒あたりから勢いに火がつくと、それまでの重厚感を保ちつつ激しい疾走感を漂わせる。Showdownバージョンでは元々速めだったテンポがさらに上昇したうえでキーも上がり、乱痴気騒ぎのような狂躁を生み出す。乱闘する感覚を力強く表現した一曲である。
曲名は直訳で「ミャンマー狂気」ですが、誂え向きなネーミングですね。『Myanmar Madness (Showdown)』、あわせてどうぞ。