O-GAMESがおくるファンタジーシューティング・Impetuthより、
坂本昌一郎作曲、『Assault from the evil world』。ボス戦で流れます。
インディーゲームスタジオ・O-GAMESのデビュー作にあたる本作。精霊界、魔界、人間界から成る世界を舞台に、魔物の進軍により故郷を奪われた剣士の青年・イルスは、攫われた幼馴染と崩れた世界の均衡を取り戻すべく旅に出ることになる。80年代風の王道ファンタジーと硬派な縦スクロールシューティングが融合した味わい深い世界観が特徴で、剣や斧などの5種類の武器を使いこなしながら全5ステージ12エリアを攻略していく。方向キーに攻撃ボタンのみというごくシンプルな操作体系ながらも、全体的に古き良きシビアな難易度を誇り、道中で助けを求めるNPCを救出して連れ回すこともできる(応戦してくれたり、敵の攻撃を防ぐ盾にも使えたりする)。とことんまでレトロな雰囲気を追求した仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは坂本昌一郎氏と細江慎治氏。いずれも音楽制作会社スーパースィープ所属の作曲家で、坂本氏はすでに退社して現在はフリーランスである。本作は同人作品ながらも開発メンバーは軒並みプロのクリエイターで、音楽もその例に漏れず実力者を起用している。シューティングというよりRPGに近いようなオーソドックスなファンタジーサウンドを中心に、熱い楽曲が取り揃えられている。サウンドトラックはミスやゲームオーバー時のジングルも含めて収録されている。
ステージの最後に待ち構える大ボス戦で流れるのがこの曲である。イントロの第一音から最上の疾走感を漂わせるヒロイックな一曲で、歌モノを彷彿とさせる直球勝負のメロディーラインが戦いの昂揚感を力強く演出する。スリリングなストリングスにシャープなシンセサイザーが絡み合って奏でられるアップテンポなアンサンブルは、不退転の決意で魔物に挑む勇者の姿を克明に描き出し、いかにもRPGの戦闘曲らしい曲調ながらも、シューティングのシチュエーションにも絶妙にマッチしている。
曲名は直訳で「悪の世界からの急襲」です。全身に力が迸るような勇壮極まる音使いがとても好きです。