東亜プランがおくるシューティング・アウトゾーンより、
上村建也作曲、『奴らに弾のプレゼント』。2面で流れます。
東亜プラン製のアーケードシューティングのうち、鮫!鮫!鮫!に次ぐテクモ販売の作品として登場した本作。西暦2097年、地球侵略を目論むオワギラ星人に対抗し切れなくなった人類は、最終手段として最強のサイボーグ戦士に救援を依頼することになる。全7面構成で自機はサイボーグ戦士、地面を歩行する任意スクロール型の縦方向シューティングである。8方向レバーにボタン2つ、攻撃はショットとボンバー、道端にパワーアップアイテム有りというスタンダードな形式で、自機が歩行する性質上、通常の被弾に加えて敵と接触したり、道中の穴に落下したりすると残機を失う。また、燃料の概念があり、時間経過とともに減少し、完全に枯渇するとこれまた残機を失うため、アイテムで補給しつつどんどん前へ進む必要がある。超強力な攻撃性能を誇るスペシャルアイテムが存在することなどから、難易度自体はそう高くなく、東亜STGとしてはやや異色な遊び心地を持つ仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは上村建也氏。当時、東亜プランに所属していたプログラマー兼作曲家である。本作以前にもタイガーヘリや究極タイガーなど複数のシューティングの担当経験がある。本作ではサウンドとプログラムを兼任していて、楽曲はおなじみのFM音源を使ったアップテンポなロックが揃っている。サウンドトラックはスノーブラザーズと一緒に収録されたものと、フィグゼイドと一緒に収録されたものがそれぞれ存在する。
2面で流れるのがこの曲である。本作では各面の最後に現れるボス戦においても道中曲が流れ続けるため、実質的に戦闘曲も兼ねている。戦闘シーンにも誂え向きな凄まじい勢いと迫力に満ちた曲調が特徴で、ガンガン鳴り響くメタリックな音色に、パワフルなビートが小気味良く寄り添うことで、良い意味で暑苦しいほどの情熱を漂わせる。曲前半でダイナミックな躍動感を印象付けた後、28秒以降は勢いを保ちつつも一息つくような落ち着きを見せ、ループ前の40秒頃になると徐々に熱気を蓄えていく。1ループ50秒弱の曲尺に、ガツンと来るような曲名に違わぬ濃さを詰め込んだ一曲である。
曲名のノリはこの曲に限らず楽曲全体がそんな感じですね。4面の『かっ飛びソルジャー』とか6面の『もうちょいでドン』とか。せっかくなのであわせてどうぞ。
