フライトプランがおくる武器創造バトルRPG・サモンナイトクラフトソード物語より、
松岡耕平作曲、2の『未開の森をいく』。森系のフィールドで流れます。
召喚術をテーマにしたサモンナイトシリーズの外伝であるクラフトソード物語の第2弾にあたる本作。クリーフ村で邪悪な召喚獣・ゴウラの封印を守る役目を担う魔刃使い兼鍛冶師見習いの主人公は、故あって解かれてしまった封印を再び施すべく、四本の魔刃を集めることになる。武器を創るというコンセプト、武器の耐久力の概念、横スクロール式の戦闘システムなどの土台はそのままに、本作では単に武器を作成するだけでなく強化・解体といった新要素が加わった。鍛冶をするにあたって材料のみならず武器の基となるマテルが必要となり、解体するたびにマテルが武器の能力を一部継承できることから、前作と比べてクラフトの感触が変わった。アクション面では武器ごとに固有のフィールドアクションが導入されたほか、釣りのミニゲームなども追加されたが、前作にあった通信機能は廃止された。続編らしい新要素と変更点が備わった意欲作に仕上がっている。
本作の音楽を担当するのは松岡耕平氏。当時、音楽制作会社ピュアサウンドに所属していた作曲家である。サモンナイトシリーズには本家の2から作曲に携わっているほか、ことクラフトソード物語に限れば三部作ともすべて参加している。前作・次作とも複数人での作曲体制だが、本作のみ氏が単独で手がけている。GBA音源のポテンシャルを引き出すヒロイックなファンタジーサウンドが揃っていて、戦闘曲はもちろんダンジョン曲などにも力が入っている。また、一部前作のアレンジも存在する。サウンドトラックは未発売だが、作中にサウンドテストが実装されているため、曲名は判明している。
ふもとの森、外れの森などの森系のフィールドで流れるのがこの曲である。クリーフ村の外はふもとの森に繋がっているため、村を出た直後に流れる最序盤のフィールド曲でもある。ラッパの音色が紡ぐ勇壮極まる旋律で、冒険の第一歩を有り余るほどの情熱をもって表現している。派手に響く主旋律の裏で、低音のベースラインがせわしなく奏でられることで、適度に緊張感のあるノリをつくり出している。42秒でサビに至ると、勇ましいラッパの合間に46秒頃でみられる非常に特徴的な高音のフレーズが挟まれ、耳に残るような昂揚感を生む。序盤から出し惜しみすることなく冒険心を刺激する一曲である。
GBA音源だからこそ表現できる音を追求している感じがして、とてもいいですね。朽ちた機械迷宮で流れる『古の機械工場』とかも、ざらっとした音色をうまく活かした怪しさ抜群のレトロチューンで素晴らしいです。あわせてどうぞ。