佐藤亜希羅作曲、『GALLANTRY』。1面と4面で流れます。
撃つことと避けることに注力した王道のゲーム性で知られる雷電シリーズの1作目にあたる本作。突如現れた外宇宙生命体の侵略に対抗すべく、超高空戦闘爆撃機・雷電が出撃することになる。全8面×無限周回型の縦スクロールシューティングで、操作体系は8方向レバーにショットとボンバーの2ボタンから成る。ショットボタン一つでメインとサブを同時に発射する仕様で、メインは8段階まで、サブは4段階までパワーアップ可能で、それぞれアイテム入手によって2種類から選べる。具体的にはメインには範囲攻撃のバルカンと貫通攻撃のレーザー、サブには前方に爆撃する高火力のニュークリアと火力控えめだが自動追尾するホーミングミサイルが用意されている。複雑な操作や斬新なシステムがない分、緻密なグラフィック、敵配置、ステージ構造、特にボス戦の際の位置取りの重要性など、根幹を成す部分が綺麗に練られている。難易度は相応に高く、ミスすると強化状態が解除されるし、救済要素としてミス時にアイテムをばら撒くフェアリーが存在するものの、同色のアイテムを順序よく取らなければ強化できないため、リカバリーしづらい点には注意が必要である。総じてとことん正統派を貫く仕上がりとなっている。後にメガドライブやPCエンジンなど多機種に移植されたほか、アーケードアーカイブスの一環としてPS4やスイッチに配信された。
本作の音楽を担当するのは佐藤亜希羅氏。90年代前後にセイブ開発製の作品にいくつか携わっていた作曲家で、本作以前にもダイナマイトデュークにおいてシューティングサウンドを手がけたことがある。雷電シリーズのサウンドは次作以降、佐藤豪氏が中心となって引き継いでいくことになるが、本作の時点でメタリックでヒロイックな路線が確立されている。メロディーとリズムが一体となって生み出す力強さが魅力的で、後の作品でも頻繁にアレンジされている。サウンドトラックについては、オリジナル音源とセルフアレンジを収録したもの、続編や他機種の音源と合わせて収録したものなど、再三にわたって発売されている。
1面と4面で流れるのがこの曲である。1面では開始時に颯爽と自機がテイクオフし、敵機や戦車が跋扈する田園地帯を駆けることになる。4面では荒廃した遺跡のような場所を進むことになる。曲が始まってほんの一瞬、最初のフレーズを聴いただけで、即座に魂に火が付くような豪快かつキャッチーな音色使いが印象的である。しっかりどっしり刻むドラムに、細かく鮮やかで縦横無尽に鳴り響く電子音、そして勇ましく牽引力あふれる旋律が見事に融合することで、ひたすら強く真っすぐな使命感を漂わせる。13秒から奏でられるメインメロディーはすっと耳馴染みする安定感があり、25秒から高音と低音を巧みに絡めて盛り上げるさまは絶妙に昂揚感をそそる。40秒で一旦メインメロディーに戻って一連の流れを反復するが、1分6秒ではさらにイントロにまで遡って反復し、やがて1分19秒で再度イントロを繰り返す形でループに入る。終始一貫してブレない勇ましさがある一曲である。
アレンジは多いですが、どうしましょう……最近のものにしましょうか。3ミカドのヘビメタアレンジ『Gallantry -HEAVY METAL RAIDEN Mix-』、NOVAの爽快なシンフォニックアレンジ『Gallantry for Nova』をお聴きください。