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#1387 『ステージ2・4・5』(作曲者不明/パワーゲイト/PCE)

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メイクソフトウェアがおくるシューティング・パワーゲイトより、

作曲者不明、『ステージ2・4・5』(仮称)。2面、4面、5面で流れます。

ファジカルファイターで知られるメイクソフトウェア製の初期の作品として登場した本作。ザハン国が核実験を見据えた不穏な動きをみせるなか、軍所属のパイロットである主人公が出撃することになる。全6面構成、ライフあり残機制の横スクロールシューティングである。操作は十字移動、ショット、スペシャルウェポン、ウェポン切替の主に4種類で、道中でパワーアップやストックアイテムを入手することで自機性能や攻撃手段を充実させられる。ショットは初期状態だとシンプルな前方対空弾だが、パワーアップ次第で対空弾と同時に斜め下方向への対地ボムを放てるようになる。スペシャルウェポンは追尾や8方向拡散型などのほかに、自機の動きを模倣する分身を生み出すという一風変わったオプション的なものもある。軍所属という設定を活かして、本作ではステージクリア時にスコア次第で昇進できる点が特徴で、少佐から大将まで階級に応じてスピードアップ等の恩恵を得ることができる。全体的にグラフィックはハード性能に見合わない侘しさがあり、敵味方ともに動きが遅くて間延びした印象があるが、システム面やバランス面は堅牢な仕上がりとなっている。

本作の音楽については具体的な作曲者は判明していない。スタッフロールのMUSICおよびSOUND欄には社名の「メイク ソフトウェア」名義でクレジットされている。この当時に同社に所属していたサウンドスタッフを考えると、赤松彰宏氏や老田(現姓は嘉数)佐千子氏あたりが該当する可能性があるが、詳細は不明である。本作のBGMは曲数こそ限られているものの、シューティングゲームの熱さを体現したスピーディーでパワフルな楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

2面、4面、5面で流れるのがこの曲である。全6面中最も頻繁に聴くことになる道中曲である。8分音符+16分音符2つで刻むキャッチーなベースラインに、勢いよく潔く勇ましく響く旋律が重なり合い、イントロからして非常に快調なスタートを切る。14秒から高音を主体とするフレーズを取り入れ、その裏でぐんぐんと盛り上がる伴奏のアルペジオを据えることで、ほんのり哀愁を漂わせつつもますます心地良い疾走感を帯びていく。25秒でアルペジオが止まり、主旋律に合わせてインパクト抜群な和音を披露すると、ここまで積み重ねてきた勢いを発散させてすっきり1ループを締め括る。30秒弱の尺のなかに推力全開の気持ち良さを凝縮した一曲である。

勢いよく始まって、途中で哀愁を交えつつ盛り上がって、最後は後味よく次のループに繋ぐ、という構成は他の道中曲も同じで、どれもうまく嵌まってますね。1・3面BGMと、最終面BGMもあわせてどうぞ。

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