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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1161 『ワープルーム』(Steve Duckworth/クラッシュ・バンディクー カーニバル/PS)

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Eurocomがおくるパッ!とパーティー盛りあげゲーム・

クラッシュバンディクーカーニバルより、Steve Duckworth作曲、

『ワープルーム』(仮称)。ワープルームで流れます。

Naughty Dogクラッシュ・バンディクーシリーズのうち、スピンオフにして初の外部開発作品として登場した本作。善と悪を司る精霊・アクアクとウカウカの言い争いを発端に召集されたクラッシュたちは、雌雄を決するためにチーム対抗で戦うことになる。主に善チームと悪チームに分かれて対戦するミニゲーム集のようなもので、シナリオに沿って進める「おはなしモード」、ルールや人数を指定して自由に遊べる「バトルモード」、4戦して総合得点を競う「たいかいモード」が搭載されている。ミニゲームは箱投げやレース、氷上の相撲など、7つのカテゴリーがあり、下位分類として各カテゴリーに4つのバリエーションが存在する。同一のカテゴリーでもステージによってギミックが大きく異なるうえに、特定の条件を満たすことで入手できるダイヤやトロフィーといった収集アイテムが数多く用意されている。カジュアルさとやり込み要素を併せ持つ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはSteve Duckworth氏。当時Eurocomに所属していたイギリス出身の作曲家である。また、国内版のみ発売元のSCE側のスタッフとしてデータ変換と追加曲を担当する形で足立賢明氏が参加しているほか、シリーズおなじみの主題歌が収録されていることから、その作編曲者として岡田徹氏もクレジットされている。これまでのシリーズでは主に映画やテレビ方面で活躍するJosh Mancell氏やMark Mothersbaugh氏らが作曲してきたが、本作は外部開発ということもあってか作曲陣が異なる。が、スピンオフらしく過去作のBGMがふんだんにアレンジされていて、シリーズならではの愉快で好奇心そそるサウンドが揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

ワープルームで流れるのがこの曲である。各ミニゲームに繋がるハブエリアで、何して遊ぶかを決める拠点兼メニューのようなものである。3のワープルームの曲を基にしたアレンジで、はっきりとビートを刻む四つ打ちのリズムパターンに、4秒から陽気なシロフォンの音色を重ね合わせることで、適度に刺激的なスリルとノリを生む。全体的に電子音楽の色合いが濃く、ディープでダンサブルな大人びた雰囲気を醸しているが、あくまで主旋律は茶目っ気のある響きを帯びて、いかにもシリーズならではの印象を与える。28秒からはいっそう電子音を目立たせ、ギラギラしたムードを漂わせながら同じフレーズを8小節分反復させる。屋外のカーニバルというより屋内のディスコを彷彿させるグルーヴィーな一曲である。

ミラーボールとかディスコライトとかそういう眩い小道具を連想しますね。クラッシュシリーズはいつもワープルームの曲が小気味良くて好きです。3の曲もあわせてどうぞ。

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