稲毛謙介作曲、3の『旗幟鮮明 -関ヶ原-』。関ヶ原の戦いで流れます。
戦国武将たちによる一騎当千の活躍を描く戦国無双シリーズのうち、ナンバリング3作目にしてスピンオフ以外では初の任天堂ハード向けの新作にあたる本作。加藤清正や北条氏康、毛利元就、秀吉の両兵衛など名だたる新顔を加えた総勢37名がプレイアブルである。アクション面では従来の無双ゲージと並んで新たに練気ゲージが導入され、これに伴って練気ゲージを消費してガード崩しと突進を放つ影技、両方のゲージを消費して絶大な威力を発揮する無双奥義・皆伝が追加された。ミッションの誘導強化やマップ表示の利便性向上など配慮がみられる一方、全体的に味方武将が打たれ弱い点や、やり込み用のモードを中心として難易度を高める要素があり、プレイスタイルや熟練度に応じて一定の融通が利くよう調整されている。特にやり込みに関しては、任天堂機ならではの特徴として謎の村雨城とタイアップした村雨城モードが収録されていて、操作性やアクション自体は変わらないが、ギミック重視で力押しが効かない手ごわさを誇る。総じてやや大味ながらも間口の広さを備えた仕上がりとなっている。後にアッパーバージョンや完全版移植などがPS3やPSPにも登場した。
本作の音楽を担当するのは稲毛謙介氏、山田玄紀氏、吉松洋二郎氏。稲毛氏と山田氏は当時コーエーに所属していた作曲家で、吉松氏は現在も吸収合併を経てコーエーテクモに在籍している。無双シリーズの作曲経験では稲毛氏が戦国無双2Empから、山田氏は外伝のKATANAから携わっていて、吉松氏は三國含めてシリーズ初参戦である。本作ではナンバリング前作までのサウンドの中核を担っていた志知道彦氏らが抜けて作曲陣が一新されているが、エレクトリック戦国絵巻と称するシリーズ特有の和風トランス系のノリは健在である。津軽三味線や能管をはじめ、今まで以上に和楽器をふんだんに取り入れて、過去作のアレンジも含めて彩り豊かな楽曲群を楽しむことができる。サウンドトラックは主題歌を除いて2枚組で収録されてい。
関ヶ原の戦いで流れるのがこの曲である。言わずと知れた天下分け目の大戦で、霧の深い戦場を駆け巡って松明を灯しながら進軍していく。手始めにぐっと湧き上がるように流麗で絢爛な琴の音階を奏で、分厚い太鼓やオーケストラを伴って盛り上げる。6秒頃から電子音が加わり、すこし遅れて奥底から這い出づるように尺八が聴こえ出すと、壮大でありながら意外と落ち着いているという絶妙な均衡を保つようになる。そうやって相手の出方を窺うように溜め続けた後、46秒過ぎで鳴る神楽鈴を合図に笛が高音域に移り、太鼓や三味線がよりはっきりと響いて和風ならではの趣と興を添える。やがて一連の雅やかな演奏が終わる頃、1分30秒あたりからにわかに圧が強まり、和の音色を散りばめながらハードコアなビートを披露する。またしばらくして笛が合流すると元の調子を取り戻すが、心なしか以前よりも風流さのなかに獰猛さが潜んでいるかのように感じられる。決戦というには抑えた曲調だが、あえて抑えることで戦場に垂れ込む霧の如き厚みと凄みを放つ一曲である。
派手な総力戦っぽい感じより、こういう燻し銀の曲調がむしろ戦場に似合うかもしれません。ちなみにオロチ3にリミックスがありますが、エレキギターやコーラスでガンガン攻めてくるのでほぼ別曲レベルですね。吉田孝志さん編曲で『旗幟鮮明-Trinity Mix-』もあわせてどうぞ。