井上岳志作曲、光と闇の覚醒の『闇の鼓動』。古の都ヴェルガンダで流れます。
オンライン要素を取り入れたゲーム性と王道ファンタジーの世界観で知られる白騎士物語の2作目にあたる本作。前作の騒動と新生イシュレニア帝国建国から1年後、周囲を飲み込まんとする帝国の脅威に対抗すべく白騎士に変身する力を持つ青年・レナードらが奔走することになる。続編ありきだった前作を丸ごとリニューアル収録していて、物語を追うオフラインのストーリーパートと物語の延長線上にあるオンラインのライブパート、二部二本立て構成のボリューム感がある。主だった作風やシステムは前作と共通しているが、戦闘面では武器の使用感と特徴付けが強化され、敵との距離や高さの概念が加わってより戦略味が増した。肝となる騎士への変身に関しては、アクションゲージが溜まっていなくても強力な崩しを放てるターンブレイク、範囲内の味方を受け止めるフォートレスガードなどが導入された。変身はオンラインだけでなくオフラインでもアークナイトという名目で使用可能になり、前作と比べて順当にできることの幅が広がっている。一方で物語の流れやクエストはやや回りくどく、コンテンツ量の多さと相まって冗長なきらいがある。総じてずっしり重みのある仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは井上岳志氏と橋詰友美子氏。いずれもレベルファイブ所属の作曲家である。主題歌をはじめとするボーカル曲の作曲に音楽制作チーム・Elements Gardenの上松範康氏を起用している。前作の作曲体制をそのまま踏襲していて、続きものらしく雰囲気を受け継いだ楽曲づくりをおこなっている。バイオリンやトランペットなどをふんだんに用いた正統派のファンタジー系オーケストラサウンドが揃っている。サウンドトラックにはボーカル曲およびボーカル曲の英語版も含めて収録されている。
古の都ヴェルガンダで流れるのがこの曲である。ストーリークリア後に出現する高難度の隠しダンジョンで、かつて栄えし文明の都にして禍々しい威容を誇る魔城である。出だしからピアノとハープが重く不吉に響き渡り、本来この楽器の組み合わせなら柔和な響きを生みそうなものだが、そうした印象からかけ離れた威圧感を放つ。7秒からは管弦楽器の音色が加わってますます圧を強めるが、ふとしたときに高音の美しさに魅入られるような不思議な魔力が漂っている。特に38秒や45秒などで静かに弦をはじいてリュートを彷彿させる細やかな音色を披露することで、高圧的な曲調のなかに絶妙な甘美さを感じさせる。やがて1分9秒には笛も聴こえるようになり、どことなくやるせないような独特な哀愁と悲愴感を醸す。徐々に盛り上がって1分37秒にはより澄んだ高音を紡ぐが、綺麗であると同時に依然として物々しく予断を許さない緊張感が蔓延る。その後、冒頭と似たフレーズに回帰するが、2分7~13秒でみられるようにうまく余韻を散りばめている。魔性の風格と神秘を備えた一曲である。
よく合った曲名ですね。たしかにピアノやドラムの刻み方が鼓動という感じがします。