尾田栄一郎著の漫画およびそのアニメ版を原作とする、
ガンバリオンがおくる対戦アクション・ONE PIECE グランドバトルより、
廣瀬祐一作曲、『LogueTown's Mariachi』。
ゴールド・ロジャーの処刑台ステージで流れます。
ONE PIECEのゲーム化作品のうち、初の対戦アクションとして登場した本作。ルフィら麦わらの一味と立ちはだかる敵たち、初期10名+隠し6名のキャラがプレイアブル参戦している。アニメ版をベースにストーリー仕立てで勝ち抜き戦に挑むイベントバトルと、自由に対戦できるグランドバトルモードが収録されている。キャラはデフォルメされた3Dポリゴンで表現され、攻撃ボタンは一つだけだが連打や十字キーとの組み合わせでアクションの幅が設けられている。キャラ別に最大3種の必殺技が用意されていて、体力が減ってピンチになるほど強力な技を放てるようになるため、ハイリスクハイリターンな駆け引きを楽しめる。対戦ステージには地形要素のみならず船の揺れや砲弾、落雷などの特殊なギミックが多く、体力回復や能力向上などのアイテムも豊富に散りばめられている。純粋な格闘ゲームというよりキャラもののパーティゲームに近い趣がある仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは廣瀬祐一氏。ガンバリオンに所属する作曲家である。本作はガンバリオンのデビュー作であり、廣瀬氏にとってもテクノソフトから移籍して初めての担当作品である。以降、グランドバトルシリーズやその後継のギガントバトルシリーズ、同じガンバリオン製のONE PIECEアンリミテッドシリーズに連綿と携わっている。シンセ系のロックやテクノなど聴きやすくノリの良い楽曲が多く取り揃えられていて、すこしラテン風だったり民族っぽさがあったりする点がスパイスとして利いている。サウンドトラックについては、続編の2とセットで本作の楽曲が収録されている。
ゴールド・ロジャーの処刑台ステージで流れるのがこの曲である。伝説の海賊王が公開処刑されたローグタウンの広場で、その象徴的な意味合いから大海賊時代の始まりの地とも言われる。他のステージは陸地だけでなく海があるが、ここは町中で比較的狭いつくりで、処刑のエピソードに絡めて雷が落ちてくるギミックがある。曲名にマリアッチとある通り、メキシコやラテン風の薫りが強く漂っている。初めはギターやカスタネット、ギロをリズミカルに鳴らし、続けて8秒からトランペットが加わることで一気に鮮やかに盛り上げる。23秒にはアコーディオンも交えて民族音楽特有のノリとうねりと哀愁を醸し出す。基本的に陽気な曲調で処刑の恐ろしさとは無縁に感じられ、特に54秒からハンドクラップを取り入れながらアコーディオンとトランペットが合奏するさまは非常にカラッとした明るさがある。とはいえ底抜けに華やかでも不思議と気が引き締まるようなテンションがある。組んずほぐれつの激闘を活き活きと彩る一曲である。
町の曲ではありますが、一般的なRPG的な町曲よりもこう、アグレッシブに対戦している感じの勢いが出ていて良いですね。