セガがおくるドタバタアクションパズル・チューチューロケット!より、
大谷智哉作曲、『タイトル』(仮称)。タイトル画面とモードセレクト画面で流れます。
ソニックチームが制作したドリームキャスト向けのオリジナル作品にあたる本作。遠い未来の宇宙の外れ、スペースネズミのチューチューたちは天敵のスペースネコ・カプカプが大量発生したことを受け、捕まる前にロケットに乗り込むことになる。4人対戦の固定画面のアクションパズルで、対人戦・CPU戦、ネットワーク対戦、チーム戦、お題に沿って攻略するステージチャレンジなどがある。各プレイヤーにロケットが与えられ、画面上のハッチから湧いてくるチューチューを自分のロケットに導き、最も多くのチューチューを集めたプレイヤーが勝ちである。チューチューとカプカプの動きはいたって単純、基本的に前進するのみで壁にぶつかったら右に曲がるが、プレイヤーは床に矢印パネルを設置して移動方向を変えられる。チューチューは一匹で1ポイントだが、ときには50ポイント分のレアキャラが現れたり、矢印パネルのリセットやプレイヤーの場所入替などの逆転イベントを発生させるルーレットキャラが現れたりする。カプカプは道中でチューチューを喰うだけでなく、ロケットに侵入すると獲得済みのポイントの1/3を奪っていくため、自分のロケットには入れず相手のロケットに送り込むという妨害工作的な使い方もできる。シンプルでスピーディーで駆け引きと逆転要素のバランスが良い仕上がりとなっている。後にGBAやスマホに移植された。
本作の音楽を担当するのは大谷智哉氏。セガに所属している作曲家である。ソニックシリーズの作曲家として知られている氏だが、本作は当時入社したてだった氏にとってのデビュー作である。GBA版でも同時期にセガの子会社であるウェーブマスターに在籍してていた安倍栄基氏と瀬津丸勝氏とともにクレジットされていて、GBA音源に合わせたアレンジが施されている。パズル系のパーティーゲームらしいポップでワチャワチャした雰囲気に、宇宙やロケットを題材にしたスペーシーでミニマルテクノ系の曲調がうまく噛み合っている。制限時間が残りわずかになるとテンポが上がるなどの工夫もみられる。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の歌唱とする。
タイトル画面とモードセレクト画面で流れるのがこの曲である。冒頭2秒ほどは非常にシンプルだがリズミカルな電子音を鳴らして小気味良い第一印象を与える。その後、素早く緻密なビートが加わると、おもちゃ箱をひっくり返したかのような愉快で賑やかな雰囲気が感じられるようになる。全体的にポップでチャーミングな響きがある一方で、几帳面で理知的なパズルゲームらしい温度感がある。特に37秒以降でパーカッションが荒ぶりつつも規則正しく、音が停止する間を挟みながらもリズム感を保つくだりは耳に残りやすい。50秒頃からは一転してギター風の音色を取り入れてリラックス感のある曲調になるが、1分8秒から聴き覚えのある電子音が徐々に侵食していき、最終的には冒頭と同じフレーズを鳴らして綺麗に締め括る。シンプルでスピーディーで駆け引きと逆転要素のバランスが良い、本作を体現したかのような一曲である。