インテリジェントシステムズがおくるアクションパズル・パネルでポンより、
松永政信作曲、DSの『NEON』。9面で流れます。
同色揃えてパネルを消していくパネポンシリーズのDS版にあたる本作。基本的なルールはいつも通り、縦12×横6マスのフィールドで下からせり上がるパネルを左右で入れ替えながら3色以上繋げて消すものである。本作ではGBA版前作に引き続きシンプルでミニマルなデザインを踏襲していて、よりクールなサイバー路線を取っている。DSを縦持ちしてタッチペンでパネルをスライドさせる直感的な操作が特徴で、今まで以上にパネルを動かしやすく連鎖を引き起こしやすい設計になっている。また、従来通りのボタン操作や横画面表示にすることもできる。ゲームオーバーになるまで挑み続けるエンドレス、面ごとに攻略するステージクリア、降り注ぐおじゃまパネルを消すオジャマチャレンジ、対戦形式でオジャマ・スコアアタック・ステージクリアを競い合うVS COM、各種タイムアタックや課題をこなすパズルなど、多様なモードが収録されている。加えてローカルおよびWi-Fi対戦機能が搭載されていて、最大4人のマルチプレイやボイスチャットにも対応していた(Wi-Fiサービスは終了済み)。総じて堅実でコンパクトに要素が揃った仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは松永政信氏。インテリジェントシステムズに所属するサウンドクリエイターである。担当作品の傾向として作曲よりも効果音制作やディレクションに携わることが多い。パネポンシリーズには他二作とともに同梱されたゲームキューブ版(NINTENDOパズルコレクション)にて一部の音楽を手がけたほか、過去数作で何度かスペシャルサンクスとしてクレジットされている。本作では近未来的でスタイリッシュな方向性を徹底しているため、音楽もそれに合わせてテクノやエレクトロニック系の引き締まった曲調が目立つ。トランス、和風、ボサノバなど程よくジャンルをブレンドしていて、全体的な温度感は統一されているなかでも曲ごとに異なる色が感じられる。サウンドトラックは未発売だが、作中に曲名付きのサウンドテストが存在する。
9面で流れるのがこの曲である。全10ステージのなかで終盤に位置し、黒い背景にカラフルな点線や破線が動くアニメーションで彩られたステージである。スマートなパーカッションにウニョウニョ鳴るシンセ、芯のあるベース、7秒からさらりと滑らかな演奏を披露するビブラフォンが印象的なジャズファンクナンバーである。23秒から一足遅れてサックスが参戦すると、さながらネオン煌めく夜の都会でドライブしているかのようなシックでロマンチックなムードを醸すようになる。30秒過ぎで即興風の華やかな高音を紡ぐ際にも、伴奏はブレることなくこれまで通りのペースを貫く。が、40秒以降はサックスと示し合わせるかのように咆哮か車のブレーキのような効果音が断続的に聴こえるようになり、一種独特なスリルを感じさせる。54秒~1分で大仰に音を重ね合わせた後、今度はサックスに代わってビブラフォンが主役を務める。1分14秒から高速で音色を駆け抜けていくさまは非常にスタイリッシュで、再びサックスが加わるときには音階を素早く上下して洒落たヴァイブを充満させる。乙な気分でモチベーションを高めてくれる一曲である。
ウニョウニョが好きです。以前紹介しましたが、同じIS製でカードヒーローDSと時期的にも音源的にも近くて似た味わいがありますね。