WayForward Technologiesがおくる2Dパズルアクション・Mighty Milky Wayより、
Jake Kaufman作曲、『World 1 (Space)』。World 1で流れます。
軽快な謎解きが特徴的なMightyシリーズの2作目としてDSi向けに配信された本作。極秘任務を帯びた宇宙人娘のLunaが目的を果たすべく突き進むことになる。5ワールド・計40面から成る2Dアクションで、DSの上画面にゴール地点の描かれたマップが、下画面に実際の操作エリアが表示される。前作ではステージ配置を切り替えるフリップがゲーム性の肝だったが、本作ではシステムを一新して引力や慣性に焦点を当てている。ステージの各所にはそれぞれ重力を持つ惑星が点在し、自機は惑星上を時計回りに移動しながら適宜、別の惑星に飛び移ってゴールを目指していく。元々配置されている惑星以外にも、道中のキャンディを使って任意の場所に惑星を作り出すことが可能である。惑星によって強度が異なり、他の惑星よりも重力が強く引き寄せられやすいもの、離脱の弾みで壊れてしまうものがあり、壊すことで力場が変わってむしろ進みやすくなるケースもある。慣れを要する分、道を切り拓くパズル的な楽しみが充実していて、クリア後には制限時間内の攻略を目指す高難度のTime Bombモードが解禁される。総じてユニークでチャレンジングな仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはJake Kaufman氏。当時WayForward Technologiesに所属していた作曲家である。Mightyシリーズには欠かさず参加していて、前作に引き続き本作でもチップチューンを織り交ぜたノリノリなサウンドを書き下ろしている。本作では主人公のデザインが萌えを意識していることもあり、タイトル画面で流れるメインテーマがボーカロイドの巡音ルカによる日本語歌詞入りである点が印象深い。全体的にはポップな雰囲気があるが、特に後半にかけてアグレッシブなビートやシリアスなピアノなどをフィーチャーした楽曲が目立つ。サウンドトラックについては、前作とあわせて収録されたものが氏のBandcamp経由で配信されている。
World 1で流れるのがこの曲である。宇宙空間を背景とする最初のワールドで、序盤らしくステージの構造はシンプルである。そうしたなか、このワルツ風の安心感あふれる曲調でピクニック気分に浸らせてくれる。主旋律にはレトロな電子音を用いて素朴さを感じさせる一方で、伴奏にはストリングスやオーケストラヒットを用いて厚みを生み出している。とりわけ34秒以降は重厚感に磨きがかかるが、41~42秒で弦のピチカートを添えて軽やかに彩ったり、48~50秒で素早くリズミカルに鳴らしたりして聴きやすいバランスを取っている。1分18~21秒で区切りをつけて流れを変えると、以前よりもエネルギッシュな響きを帯びるようになり、安心感に加えて前へ進むモチベーションを駆り立ててくれる。幸福な昂揚感のある一曲である。
ジョワ・ド・ヴィーヴルみたいな、ただそこにある喜びが詰まった曲ですね。せっかくなのでくだんのボカロ入りタイトル曲『Title』もあわせてどうぞ。