VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1265 『Streamworks (Saliva Island)』(Jake Kaufman/Shantae and the Pirate's Curse/3DS)

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WayForward Technologiesがおくるプラットフォーマー・Shantaeより、

Jake Kaufman作曲、Pirate's Curseの『Streamworks (Saliva Island)』。

Saliva Islandで流れます。

アラブの魔神の血を継ぐ少女・Shantae(シャンティ)の破天荒な冒険を描くシリーズの3作目にあたる本作。前作の戦いで魔力を失ったShantaeは、大昔に封印されたはずの悪の大海賊・Pirate Masterが蘇ったことを受け、これまで宿敵だったRisky Bootsと協力して立ち向かうことになる。シリーズの例に漏れず、滑らかに動くドット絵、コミカルな作風、親しみやすさと歯応えを両立したアクションが特徴の2Dプラットフォーマーである。冒険の舞台は個性豊かな七つの島で、島ごとに見た目やギミックが異なる。魔力を失った都合上、前作までの特色だった主人公の変身要素は不在だが、代わりになんでも吸い込む魔法のランプや、パイレーツギアと呼ばれる多彩な道具(帽子で滑空したり、銃で離れた場所を撃ったり等)が加わった。新たな道具を入手するたびに探索範囲が広がるメトロイドヴァニア的な楽しみを味わうことができる。総じてボリュームは小ぶりだが中身が凝縮された仕上がりとなっている。後に日本国内でローカライズ版(邦題は「シャンティ -海賊の呪い-」)が配信されたほか、WiiU、PC、PS4、XboxOne、スイッチなどに移植された。

本作の音楽を担当するのはJake Kaufman氏。当時WayForwardに所属していたアメリカ出身の作曲家である。Shantaeシリーズには1作目から携わっていて、本作でも単独でオーディオまわりを手がけている。本作ではこれまでのシリーズ同様、いわゆるチップチューンというわけではないが、どこかレトロ感が漂うポップでエレクトロニックでちょっぴりアラビアンなサウンドが揃っている。総曲数が充実しているほか、過去作からのアレンジも含まれる。サウンドトラックは氏のBandcamp経由でデジタル配信されている。

Saliva Island(サリヴァ島)で流れるのがこの曲である。最初に訪れる島で、水と緑と遺跡が織り成す景観が特徴的である。イントロからはっきりと主張するビートが印象的で、そこにスチールパンの独特な音色を加えることで、海や島のイメージにぴったりな陽気な響きを生み出す。7秒頃からシンセが入ると、その旋律はそれとなくうねりが感じられるようなエキゾチックな雰囲気を纏っている。リゾート気分と異国情緒とクラブミュージックっぽさが合体したような、奇抜だけど親和性のある曲調に仕上がっている。渋いベース、力強いシンセストリングス、鮮やかなオルガン、華やかなアコーディオンなど、様々な音色が一緒くたに融け合って楽しげなムードを形作っている。似たフレーズの繰り返しでも、1分17秒からは別の音色に置き換えて電子音楽っぽさを強調していて、一度目とはまた違った新鮮味が得られる。摩訶不思議な聴き心地を持つ一曲である。

おそらくオマージュとして組み込んだものかと思いますが、36秒~のサビがStardust Speedwayによく似ていて、良い具合に曲の流れにも合ってますね。

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