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#1533 『A.M.S. Agent』(河内哲也/THE HOUSE OF THE DEAD 2/AC)

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セガがおくるガンシューティングTHE HOUSE OF THE DEADより、

河内哲也作曲、『A.M.S. Agent』。2面で流れます。

ゾンビもののガンシューティングとして名高いTHE HOUSE OF THE DEADシリーズのナンバリング2作目にあたる本作。前作のキュリアン邸事件から2年後、ベニスでの奇妙な失踪を追うべく現地に派遣された国際諜報機関AMSのエージェント・ジェームズとゲイラーは、市中にあふれかえるゾンビたちと凄烈な戦いを繰り広げることになる。ハンドガンを手に迫りくるゾンビを撃ち、ときに市民を救出し、プレイヤーの行動次第でルート分岐する点は前作とほぼ共通している。本作ではステージ数が増加し、グラフィックが大きく向上し、難易度がよりシビアに調整されている。具体的にはグラフィックは血しぶきや欠損をはじめとするグロ表現のきつさは緩和された一方で、ゾンビのデザインや背景のつくり込みは精緻さが増している。難易度に関しては当たり判定の狭さ、敵のしぶとさ、特にボスの攻撃の激しさとが相まって歯応え満点で、市民救出の難しさに拍車がかかっている。白熱しつつ冷静な対処力を求められる、エージェントものの醍醐味をたっぷり味わえる仕上がりとなっている。後にドリームキャストやPCに移植された。

本作の音楽を担当するのは河内哲也氏と冨田晴義氏。河内氏は当時、冨田氏は現在もセガに所属する作曲家である。このうち河内氏は前作からの続投でシリーズサウンドを手がけているが、冨田氏は当時入社したてで本作がデビュー作である。前作同様、ゴシックホラー系の恐怖感を煽る曲調と、苛烈なテクノやロック系の曲調を織り交ぜた作風は健在である。一部の楽曲は前作からのアレンジで、要所要所でパワーのある盛り上がりをみせてくれる。サウンドトラックには短いジングルや効果音集も含めて収録されていて、各楽曲には括弧で使用場面が併記されているが、ここでは正題のみの表記とする。

2面「混濁 ~Muddy~」で流れるのがこの曲である。ここは冒頭の車の暴走から最後のボス戦に至るまで矢継ぎ早にルート分岐する点が特徴で、プレイヤーの臨機応変な動きにステージが連動する感覚を楽しめる。副題込みで『A.M.S. Agent (Stage 2 BGM) -Arranged From THE HOUSE OF THE DEAD 1-』と表記される通り、この曲は初代の1面の曲をアレンジしたものである。原曲と比べてテンポが上昇し、アグレッシブな印象が強まっている。サイレンのようにけたたましく鳴るイントロから始まり、5秒からソリッドなリフを刻むようになると徐々にヒートアップしていく。溜めに溜めて27秒過ぎからトランペットが参戦すると、非常に強く攻撃的な勢いを生む。42秒や1分4秒からのフレーズでは電気オルガンをうまく用いて恐怖と興奮を同時に煽り、さらに1分19秒からは原曲にはない新パートとしてオルガンの独壇場が待ち受ける。畳みかけるような演奏で濃密な切迫感を漂わせ、原曲とはまた違った脅威を印象付ける。身に迫るプレッシャーが感じられる一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。なんというか、後頭部にガツンと一撃喰らわされるような迫力がありますね。原曲もあわせてどうぞ。

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