おさかようこ作曲、『サブレ山』(仮称)。サブレ山などで流れます。
SNKの初期の家庭用機向けの作品の一つである本作。文明崩壊から100年後を舞台に、コールドスリープから目覚めた主人公の少年は、救世主の使命を果たすべく四振りの剣を集める冒険に出ることになる。オーソドックスな2Dトップビュー型のアクションRPGで、旅のなかで入手する4つの剣と8つの術を駆使して攻略していく。剣はそれぞれ自然の力を宿していて、通常の近接攻撃のほかにボタン長押しで風の剣なら真空波、火の剣なら火炎波などの遠距離攻撃を放つことができる。また、剣には3段階のレベルが設けられていて、レベルに応じて単に攻撃が強化されるだけでなく、岩壁を崩したり氷の橋を生成したりして道を切り拓くのにも重宝する。アイテム類の充実ぶりと相まってアクションが豊富に用意されているが、豊富であるがゆえにかえって切替に手間がかかったり、属性相性や状態異常による負担が大きかったりする。とはいえ操作のレスポンスは良好で、キャラの移動速度は速く、仮にゲームオーバーになっても直前からコンティニューできるため、基本的にはテンポよく冒険を進められる。総じて手堅さと軽快さを兼ねた仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはおさかようこ氏。情報がすくなく漢字表記が不明だが、当時SNKに所属していた作曲家である。主に80年代末から90年代前半にかけてアーケードやネオジオの作品を担当することが多く、ファミコンの担当作品は本作含め2作のみである(もう1作は本作と同時期に発売された怒IIIの移植)。本作の音楽は王道ファンタジーにふさわしいアップテンポでヒロイックな曲調を中心に、重低音を利かせたシリアスなもの、一際甲高い高音を利かせたミステリアスなものなど、バラエティ豊かな楽曲が揃っている。加えて曲の要所要所にスネアを彷彿させるノイズが取り入れられていて、適度にノリがよく引き締まった印象を与える。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
サブレ山やヒュドラ山で流れるのがこの曲である。サブレ山は広大な雪山、ヒュドラ山は4つめの剣である雷の剣がある場所である。いずれも険しい道のりを征くにあたって、この曲は快活でメロディアスでどことなく哀愁漂う音色を鳴らすことで存分にやる気を奮い立たせてくれる。12秒過ぎから入るメインメロディーは高音を軸として奔放に跳ね回るが、その下で盤石なベースラインとスネアドラムがしっかり支えていて、足取りが軽いなかでも丁寧に地面を踏みしめて力強く前進しているような印象を与える。25秒以降で中音域で短く区切った音を効果的に散りばめた後、31秒には重音を駆使して今まで以上に迫力たっぷりな響きを生み出す。1ループ38秒で過不足なく昂揚感を高めてくれる一曲である。
ちょっと和風っぽい侘びのようなものがある感じがして耳にしっくりきますね。