VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#090 『Dramatic Fanatic』(Kristofer Maddigan/Cuphead/PC・XOne)

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StudioMDHRがおくるアクションシューティング・Cupheadより、

Kristofer Maddigan作曲、『Dramatic Fanatic』。

同名のステージ(ボス戦のみ)で流れます。

カナダのインディーゲームスタジオ・StudioMDHRのデビュー作にして代表作にあたる本作。カジノで大負けしたCupheadとMugmanの兄弟は、その支払いのために悪魔との取引に応じ、債務者たちの魂を取り立てることになる。ラン・アンド・ガン形式の横スクロール型アクションシューティングであり、1930年代の古き良きカートゥーン映画を意識した全編手描きのアニメーションは、映写機からそのまま取り出したかのごとく、細かな映像のノイズやフィルムの埃に至るまで忠実に再現されている。大半のステージはボス戦のみという構成で、嵐のように降り注ぐ敵の攻撃や初見殺しの数々により、非常に遊び甲斐のある仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはKristofer Maddigan氏。カナダ出身の作曲家で、パーカッショニスト兼ドラマーとしても活躍している。本作では昔の映画らしいコミカルで騒がしい作風を表現するにあたって、氏が得意とするビッグバンド・ジャズ系のサウンドを中心に、ブルースやラグタイムなどのジャンルを積極的に取り入れた生演奏の楽曲が揃っている。サウンドトラックは販売するサイトによってOriginal SoundtrackとOfficial Soundtrackで名称が異なるが、収録内容は同一である。

Inkwell Isle Threeのステージの一つであるDramatic Fanaticでは、債権者として舞台女優のSally Stageplayが待ち受けているが、その彼女との戦闘で流れるのがこの曲である。戦闘中に何度か服装を着替える彼女の見た目のインパクトは、短い間隔でホンキングするサックス音で始まるイントロと相まって、強烈な印象を与える。軽快なタップダンスをふんだんに用いながら展開していくメロディは、終始ノリの良さを保ちつつ、債務者同士の命懸けの死闘を、ほんのり哀愁のスパイスを加えながら盛り上げてくれる。

思わず踊り出したくなるほどリズミカルで、まさに舞台女優のテーマにぴったりです。ちなみに本作は頭韻あるいは脚韻を踏んでいるステージ名(曲名)が多いですが、これに関しては脚韻のほうでして、実際に口に出して発音すると良い響きですね。